独フェスト、中国済南生産センター2期プロジェクトは2020 年に竣工

・ドイツとの並行生産が実現可能に

 CHPSA 中国液圧気道密封工業協会WEB サイト:2019 年1 月10 日(出所:済南時報

 最近、ドイツの老舗企業である費斯托(Festo:フェスト)の済南グローバル生産センター第2期プロジェクトが正式に着工した。土地を取得した同日に建設工事を着工し、済南市建設プロジェクトの迅速な認可記録が更新された。ドイツ人も驚くほどの「済南スピード」の速さである。

 実際、この自動化技術分野で世界をリードするドイツ企業は、中国に進出して11 年になり、フェスト(FESTO AG & Co. KG)の標準製品は、将来、新しい生産拠点の済南とドイツ本国とで並行生産を行うことになろう。

■「スクエアスイーパー」は人が「道を遮る」と止まる

 済南高新区鳳凰路に位置する費斯托気動有限公司(Festo Pneumatic Co., Ltd.:フェスト空気圧機器)の生産現場では、従来のワークショップ(中文:生産車間)とは多少異なる。このワークショップには作業員はそれほど多くなく、一部の大型機械の前では、時たま、たった一人の作業員がディスプレイパネルの前に立って操作しているだけである。

 記者がこのワークショップで見たのは、品物を運んでいる大型のスクエアスィーパー(中文:方形掃除機)のような運搬ロボットで、地上の二次元コードのよる位置決めでナビゲートされて、前進、後退、方向転換して、整然と秩序立って品物を指定の位置まで運んでいた。もし誰かが誤ってロボットの進路を遮ると、ロボットは「従順」に停止し、人が離れた後に再び進む。

 9 台の機械からなる自動化生産ラインでは、マニプレーターの操作は敏捷で、動作は迅速であり、2 名の作業員だけが、時おり前に立って調べているだけで、後は全部機械によって行われている。

 費斯托気動有限公司(フェスト空気圧機器)の技術サービスセンターマネージャーの房永は「このラインはパイロットバルブの自動生産組立ラインで、平均9 秒で1 台のバルブモジュールを生産でき、8 時間で3,000 台の生産が可能である、しかも、この生産ラインは4 種類の型番のモジュールを組み立てることが出来る」と紹介していた。

 このような自動化生産ラインは、正に将来のIndustrial 4.0(中文:工業4.0)スマートファクトリー(中:智能工廠)のプロトタイプである。6 カ月の納期が1 週間に短縮できるスマート生産の流れ生産ラインでは、チップとマイクロプロセッサーの作動が頭脳とすれば、空気圧シリンダや空気圧バルブ等の空気圧機器は筋肉や神経に例えられる。産業のオートメーション化の分野では、これら空気圧機器の重要性はますます際立ち、多くの生産プロセスには欠かすことが出来ない製品となっている。

 フェストは、これら空気圧製品生産の専門家であり、全世界で250 カ所の支部が有り、3,000 件余の特許を擁し、毎年約100 件の新しいイノベーション技術を増やしている。フェストの製品は、電子及びライトアッセンブリー業界(中文:軽型装配行業)、自動車業界、食品と飲料業界、太陽エネルギーとタブレットパネル業界(中:平板行業)及びプロセス自動化等工業分野の至る所に応用されている。

 費斯托気動有限公司(フェスト空気圧機器)の最高財務責任者の楊翌は、2007 年に済南華能気動元件廠を買収して済南に進出してから、2018 年に済南新高区孫村に敷地面積が650 アール(中文:公畝)に及ぶグローバル生産センター2 期のプロジェクト建設に至るまでに、売上高は2011 年の2.3 億元から2018 年には23億元に達しており、フェストの済南における11 年間の発展は非常に速かったと語っていた。

 また楊翌は、「済南の地理的位置は非常に有利で、交通は発達しており、済南に来て、フェストは済南と全国の市場を基に、中国の工業生産に適した製品を生産している」と語っていた。

 来年初めに、鳳凰路のあるフェストの生産ワークショップは、孫村の済南グローバル生産センターに移転を始める。楊翌は、新しい生産工場で生産するフェストの製品は、ドイツ国内の生産工場との並行生産を実現することができ、新製品の80%以上も済南で生産できることになると発表している。

 楊翌は、「その時になると、フェストの標準製品と新製品は、ドイツからの大量輸入に頼る必要はなくなり、中国市場への製品供給の80%以上は済南で生産でき、輸入は20%に満たない製品だけが必要になるだけである。しかも、ユーザーへの製品納期の応答時間も、従来の6 カ月から1 週間に短縮することが出来る」と語っている。

 2020 年までに、フェストの孫村におけるグローバル生産センターの1 期、2 期プロジェクトは竣工できる見通しである。楊翌は「もちろん、それはIndustrial 4.0 のスマートファクトリー(中:知能化工廠)である」と語っている。