三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は12月19日、中国の海陽原子力発電所1号機に納入した蒸気タービン発電設備について、機能試験、安全確認試験および要求された性能試験の全項目をクリアし、12月11日に顧客である山東核電有限公司との引き渡し調印を完了したと発表した。125万kW加圧水型軽水炉(AP1000)の初号機である三門原子力発電所1号機に次いで本格運転を開始したもの。
海陽1号機は、今年6月21日に燃料装荷を開始し、9月半ばに100%出力に到達した。10月22日に中国政府要求の168時間連続実証運転をクリアし、11月6日に性能試験を完了。また、三門1号機と同様に、原子炉側とタービン側とのインターフェースについても十分な事前検証を実施するとともに、きめ細かいプロジェクト管理と緊密なコミュニケーションにより、円滑な稼働に至った。なお、後続する海陽2号機は、年内の168時間連続実証運転クリアに向けて試運転が順調に進捗している。
海陽原子力発電所は、山東核電有限公司が青島の東方約130kmに位置する山東省海陽市に建設してきたもの。山東省で初めて建設された原子力発電所であり、山東核電有限公司の親会社である国家電力投資集団公司(SPIC)にとっても、初めて手掛ける原子力発電事業になる。
発電設備1ユニット当たりの出力は125万kWで、2ユニット構成。MHPSは、ハルビン電気集団への技術移転契約に基づき、タービン、熱交換器、主要弁などの設計を全て手掛け技術移転するとともに、発電設備のうち2ユニット分の低圧タービン6基および高圧タービン2基、主要弁などを製作・供給した。ハルビン電気集団は、タービン車室や熱交換器の製作を担当し、発電機は三菱電機とハルビン電気集団がそれぞれ1基ずつ納入した。
MHPSは、今後も安全性と信頼性が高い原子力発電所向けの蒸気タービン設備を提供することにより、グローバル規模におけるさらなるエネルギーの安定供給、経済発展ならびに環境負荷の低減に貢献していく。