ナリス化粧品、約60億円投じて兵庫工場内に新工場建設-需要多様化に応える変種変量生産体制を強化

 ㈱ナリス化粧品(本社:大阪市福島区)は12月10日、兵庫工場(兵庫県三木市)内に新工場を建設すると発表した。新工場の建設により、需要の多様化に応える変種変量生産体制を強化し、現在の兵庫工場と合わせ、全体の生産能力は 3.5 倍となる。投資額は約60億円で、稼働は2019年5月を予定している。

 同社は、2018 年 4 月からスタートしている中期経営計画において「収益基盤革新~強いナリスへ~」を掲げ、さらなる成長と発展を遂げて行くために取り組んでいる。その活動のなかで、現在の主力工場である兵庫工場敷地内に新たな工場を建設し、生産能力の増強を図ることで、化粧品のさらなるタイムリーな製品供給につとめる。

 ナリスグループは、最近 3 期において 219 億円(2016年 3 月期)、222 億円(2017 年 3 月期)、241億円(2018 年 3 月期)と売上を伸ばし、それに伴い、生産数量も増加している。現在、国内に 2カ所(兵庫工場:兵庫県三木市、株式会社ナリス コスメティックフロンティア:兵庫県神戸市)、国外に1カ所(NARIS COSMETICS VIETNAM CO.,LTD.:ベトナム・ビンズオン省)と 3 カ所の生産拠点を持つ。4つ目の拠点となる今回の新工場の建設で、需要増だけでなく、需要の多様化に対応する効率生産とさらに安全性を追求した工場とすることで、顧客の要望に応える。

<新工場の特徴>

(1)生産動線直線化により、効率性の向上と高い安全性を実現

 原材料から出荷まで、一直線・一方通行を実現。物品の混入や、衝突事故などを防ぐ。

(2)変種変量生産体制の強化により、多様な仕様、多様なアイテムのタイムリーな生産を実現

 増加する国内化粧品需要だけでなく、さらに増加する海外の顧客にも対応。主力の化粧水のような液体化粧品から、ベースメーク品、口紅のような粉体化粧品や固形化粧品など、幅広い種類の化粧品製造をロットの大小に対応して製造できる体制を実現。また今後の顧客の要望の変化にも対応できることを目指す。

(3)作業環境のオートメーション化により、働く人の安全性をさらに充実

 ナリス化粧品の兵庫工場は、製造管理と品質管理について、化粧品製造の国際規格である ISO 22716 の認証を受けた工場だが、新工場ではさらに作業員の安全性や負荷を考慮。バルク(中身)の製造エリアの拡大や、生産需要増に対応し、即座にプログラムを切り替え、別工程に再配置できるなど、オートメーション化により、需要の多様化に応え、作業する人にもやさしい環境を整備することで安定供給を実現する。

<新工場の概要>
建設地:兵庫県三木市緑ヶ丘本町2-5(兵庫工場敷地内)
延床面積:1万1,763㎡(生産エリア4,878㎡)
生産品目:液体製品、チューブ製品、クリーム製品、紛体製品など
生産能力:製造1万6192トン、充填包装5000万個
投資規模:60億円
稼働時期:2019年5月(予定)