日本製鋼所、新型エキシマレーザアニール装置を販売開始

   ㈱日本製鋼所は11月29日、高精細のディスプレイ製造工程向けに、新型エキシマレーザアニール装置※の販売を12月より開始すると発表した。

 エキシマレーザアニール装置はアモルファスシリコンの結晶化に必要で、昨今、その生産性やランニングコストの改善が大きな課題だった。新型装置は、革新的な技術によりプロセス処理能力を改善すると同時に、エキシマレーザをより効率良く対象物へ照射できるのが特長で、従来の品質・特長を保持したまま、生産性を25%向上しランニングコスト20%削減を実現した。

 日本製鋼所は、同装置に関し、これまで200台以上の納入実績があり、国内のトップメーカー。スマートフォンを はじめ、タブレット・PCモニター、車載モニターなどの各種ディスプレイの製造に引き続き貢献していく。

 同装置は、12/5~12/7に幕張メッセで開催されるファインテックジャパン2018において、パネル展示を予定している。

<装置の概要>

名称:新型エキシマレーザアニール装置

対象:中小型・モバイル、高精細ディスプレイ製造向け

用途:エキシマレーザによるシリコンの結晶化(アモルファスシリコンをポリシリコンに再結晶化)

特長1:プロセス処理効率の改善による生産性向上とランニングコスト低減を実現

    ① ワーク(ガラス基板、膜)の連続処理が可能

    ② レーザショットを効率よく使用可能

特長2:従来装置との性能比較

    ③ 生産性 :25%向上(第6世代ガラス基板での当社装置比較)

    ④ ランニングコスト :20%削減

 ※エキシマレーザアニール装置

・ガラス基板上に成膜されたアモルファスシリコン(非晶質シリコン)へ、ラインビーム状に形成したエキシマレーザ光を照射することにより、ポリシリコン(結晶化シリコン)に再結晶化(熱溶融)するための装置。

・再結晶化したポリシコン膜は、ディスプレイの駆動部である、薄膜トランジスタ(TFT)に使用される。

・エキシマレーザ発振器、光学系システム、プロセスチャンバー、コントロールシステムからなる。

・最大レーザ出力は3,600W、最大ラインビーム長さは1,500mm、基板サイズは第6世代(1,500mm×1,650mm)。

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