新日鉄住金エンジニアリングと三菱重工エンジン&ターボチャージャ、広島ガス廿日市工場でガスエンジン高効率化改造工事竣工

 新日鉄住金エンジニアリング(本社:東京都品川区、以下、NSENGI)と三菱重工エンジン&ターボチャージャ(本社:神奈川県相模原市、以下、MHIET)は11月28日、広島ガスより受注した廿日市工場(以下、同工場)における既設(MHIET製)ガスエンジン(2基)の高効率化改造工事(以下、同工事)を竣工し、再稼働したと発表した。

 同工事は、2004年にNSENGIが同工場向けに納入したMHIET製ガスエンジンKU30GA(2基)の発電機のオーバーホールに加え、最新鋭の燃焼システムの高効率化改造も併せて計画されたもの。

 NSENGIとMHIETは、同工場の電力事業の影響を最小限とすべく工期の最短化へと取組み、無事故無災害にて竣工(約3カ月)した。

 NSENGIは、コージェネレーション発電設備のエンジニアリングの豊富な知見を活かし、省エネ・省コストに向けた、電気や熱などの利用状況の分析・同工事の提案および施工計画から試運転までを行い、MHIETは自社製ガスエンジンKU30GAの最適燃焼・効率改善、および運転システムの最新化(注1)を担当した。

 下記4項目の改善されたガスエンジンは、本工場の事業に更なる貢献が期待できる。

(1)ミラーサイクル化(注2)により、約3%の発電効率の改善、および約6%の燃料コストの削減。

(2)燃焼方式の改造(注3)により着火油が不要となり、経済性・環境性を改善、また非常時BCP(事業継続計画)を強化。

(3)部品の最新化により、整備頻度を低減し、メンテナンス周期を長期化。

(4)運転システムの更新により、本工場の操業支援を強化。

 現在国内において、MHIET製ガスエンジンKU30シリーズ(発電出力帯「定格3,000~6,000kW級」)は、国内の常用自家発電設備などを中心に約200基が稼働している。両社は、同工事の実績を皮切りに、新設およびリプレースの需要のみならず、既設発電設備の改造更新への需要にも応えるべく、MHIET製ガスエンジンKU30を活用している顧客企業に寄り添った、新しいソリューションを提案していく。

(注1)運転システムの最新化:データ解析によりトラブルの予兆をとらえ、未然防止を図ることが可能な最新の運転システム(DIASYS Netmation)に更新。

(注2)ミラーサイクル化:空気過剰率や着火時期の制御改善により、安定燃焼および高い効率を実現させる。

(注3)燃焼方式の改造:MHIET製ガスエンジンKU30GAの燃焼方式を、A重油/軽油を燃料とするマイクロパイロット着火方式から、最新技術の火花着火方式(KU30GSI相当)に改造し、発電効率の向上と燃料コストの削減を図る。

<工事概要>

工事名称:広島ガス㈱廿日市工場向けガスエンジン高効率化改造工事

工場所在地:広島県廿日市市

ガスエンジン発電設備:MHIET製18KU30GA(台数2基)

発電出力:5,500kW

完工(運転開始):2018年8月10日

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