日立造船、反射防止膜・防汚膜一体型ロールtoロール成膜装置を発売

・モバイル端末などに高機能膜の適用拡大へ

 日立造船は11月26日、フィルム基板対応の反射防止膜(以下、AR膜)と防汚膜(以下、AF膜)一体型のロールtoロール成膜装置 “HARD-F series” を発売すると発表した。同装置で製造された膜は、デジタル端末などのディスプレイ、各種インストルメントパネルなどに用いられ、反射防止、撥水効果、指紋などによる汚れの防止効果の向上に寄与する。2つの機能を備える一体型装置の開発により、耐久性・防汚性能の向上、製造ラインのコンパクト化、製造時間の短縮化、コスト削減を可能とする。

 日立造船は2008年より、フィルムなどのフレキシブル基材に真空状態で高機能膜を成膜する「ロール to ロール成膜装置」を販売している。近年、モバイル端末やインストルメントパネルなどに用いられるフレキシブルなフィルムやガラスの高度化に伴い、高機能膜へのニーズが高まっている。

 従来は、AR膜とAF膜で成膜プロセスが分かれていたが、それぞれが製造ラインスペースの確保を必要とすること、乾燥工程が欠かせず製造時間短縮と電力消費削減が困難であることが課題だった。こうしたニーズを受け、より効率的に高品質な成膜を可能にするため同装置を開発した。

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