クボタ、中国市場向け大型ディーゼルエンジンを開発-後処理装置を簡素化

 ㈱クボタは11月21日、中国市場向け大型ディーゼルエンジンを開発、2020年から量産化する発表した。100馬力以下で世界トップシェアの実績に加え、今回のラインナップ拡充により建設機械・産業機械メーカーに供給することで、200馬力以下でも世界No.1の産業用エンジンメーカーを目指す。

 クボタは産業用小型ディーゼル・ガソリンエンジンメーカーとして長年培ってきた高い技術力を生かし、農業機械や建設機械が対象となる日米欧の最新排出ガス規制に対応したエンジンを早期に開発、欧州・北米(EPA(※1)、CARB(※2)・日本はもとより、中国、インド、ブラジルといった各国の認証を取得し、市場投入を行ってきた。

 現在、全世界で地球環境保全の意識が高まり、各国でエンジンの排ガス規制が年々強化されており、建設機械・産業機械メーカーは、最新の規制に適合したエンジンの搭載が義務付けられ、排ガス後処理装置の採用など様々な対応が求められている。

 クボタでは2019年に施行される欧州StageV向けを起点に、各国の排ガス規制のタイミングに合わせて大型エンジンの市場投入を進めている。今回、2020年に施行が予定されている中国ノンロード4次規制(※3)に向け、燃焼の最適化等により後処理装置SCR(※4)を使用せずに、規制に適合したエンジンを開発したもの。これにより、エンジン及び周辺部品の搭載容積を抑え、建産機側での設計柔軟性の向上、メンテナンス性の向上が期待できる。200馬力帯でも順次ラインナップを拡大することで、100馬力以下のみならず200馬力以下でも世界No.1の産業用エンジンメーカーを目指すとしている。

※1 EPA(Environmental Protection Agency):米国環境保護庁。市民の健康保護と自然環境の保護を目的とするアメリカ合衆国連邦政府の行政機関。

※2 CARB(California Air Resources Board):米国カリフォルニア州大気資源局。カリフォルニア州の大気汚染を防止するカリフォルニア州政府の行政機関。

※3 オフロード可搬式機械用ディーゼルエンジン排気汚染物排出制限値及び測定方法(中国III、IV段階)

※4 SCR(Selective Catalytic Reduction):選択触媒還元。ディーゼルエンジンの排気中の窒素酸化物(NOx)を浄化する技術。

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