三菱日立パワーシステムズ(MHPS)、台湾電力の天然ガス焚きGTCC発電所向けに低NOx化・性能アップ工事を受注

・南部・大潭Stage1両設備のM501F形ガスタービン7基を対象に

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は11月13日、台湾公営の台湾電力(台湾電力股份有限公司、Taiwan Power Company:TPC)の南部火力発電所(高雄市)および大潭(ダータン)火力発電所(桃園市)に対する設備改修工事を、フルターンキー方式で受注したと発表した。MHPSが納入したM501F形ガスタービン7基について、低NOx(窒素酸化物)化と性能アップをはかり、予備品の供給も手掛けるもので、MHPSのデジタルソリューションサービスである「MHPS-TOMONI®」も導入して火力発電設備の運転最適化を支援する。工事の完了は、2019年8月を予定している。

 両発電所とも、天然ガス焚きのガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備が改修対象。南部発電所では、2003年に納入した1基分で出力は約25万kW。大潭発電所では、2005年に納入したステージ1(Stage1)設備で、2系列6基分の出力は約140万kW。いずれも、運転開始以来台湾における電力供給で大きく寄与してきた発電設備で、建設時と同じく三菱商事の契約名義に基づき同社と共同で取り組む。

 今回の工事は、低NOx化については新型の燃焼器(FMk8)に交換することを中心に実施。これにより、NOxは約60%低減する。性能アップは増出力・増効率が狙いで、ガスタービン翼のアップグレードが柱となる。併せて、補機の設計・製作・調達・据え付け・試運転なども担当する。

 台湾では、旺盛な電力需要に対して供給が追いつかず、需給逼迫状況が続いている。需要ピークに対して、供給力にどの程度の余裕があるかを示す供給予備率を増やす必要があり、ガス火力発電には依然として大きな期待が寄せられている。その一方で、環境負荷の低減策も求められており、発電設備の低NOx化・高効率化対応ニーズも高まってきた。

 こうした事情を受け今回の商談では、激しい競争にさらされたものの、MHPSの低NOx燃焼器技術や性能アップ提案、既存GTCC設備の納入実績を踏まえた信頼性などが高く評価され、受注に至った。

 MHPSは今回の受注を弾みとして、IPP(独立電力事業者)を含めた台湾電力業界全体のニーズである低NOx化・性能アップに向けた提案に努めるとともに、受注拡大の試金石ともなる今工事の完遂に全力を挙げて取り組み、台湾における電力の安定供給と環境負荷の低減に貢献していく。

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