日精エー・エス・ビー機械(以下、ASB機械)が11月9日に発表した2018年9月期(2017年10月~18年9月)の連結業績によると、売上高は27,834百万円(前期比95.0%)、受注高は28,854百万円(同94.0%)とそれぞれ前期を下回る結果となった。期末の受注残高は10,080百万円(前期末9,060百万円)となった。
利益面は、減収になったものの、原価低減の継続的な取組みなどにより、売上総利益は12,960百万円(前期比100.6%)と前期の水準を維持し、過去最高を更新した。営業利益は、販売費用等の増加により販売費及び一般管理費が増加し、5,120百万円(同83.9%)。最終損益については、多額の投資有価証券売却益を計上したものの、経常利益段階までの減益の影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は、4,349百万円(同95.1%)と減益となった。
2018年9月期における経営環境は、顧客需要の変化により高付加価値容器の生産に適したASB機械機への需要が高まっているが、主要市場の需要環境に地域的な濃淡がみられるなど、全体としては横ばい基調で推移した。ASB機械では、世界各地で開催された大型展示会に積極参加し、既存主力製品の拡販と新製品の市場浸透を図るなど、売上規模の拡充に注力した。これらの結果、主力の中小型機などの販売は増収を確保し、一定の販売実績を残した。しかし、前期に販売を伸ばした大型機の販売が低調に推移した。ただ、売上高、受注高とも過去2番目の高い水準となっている。
生産面では、原価低減の継続的な取組みに加え、中長期的な事業規模の拡大を見据え、国内新工場とインド第3工場の稼働に向けた準備に尽力し、生産体制の拡充を図る取組みに注力した。技術面では、既存機の生産効率を改善するなど市場ニーズに即応する技術改良に取り組むとともに、更なる製品競争力の強化を図るため、大量生産機や新製品の開発にも注力した。
製品別売上高は、ストレッチブロー成形機が15,257百万円(前期比88.3%)、金型が7,703百万円(同106.7%)、付属機器が1,763百万円(同98.5%)、部品その他が3,109百万円(同103.8%)となった。機種別では、主力の小型機ASB-12M型などが販売を伸ばした。
■セグメント別業績
<米 州>
中南米市場では販売策の強化などにより大幅増収となったものの、北米市場で減収になった影響により、地域全体の売上高は8,401百万円(前期比86.6%)と減収となった。セグメント利益は減収の影響により、2,275百万円(同77.0%)となった。
<欧 州>
各市場で堅調に推移したことにより、地域全体の売上高は6,618百万円(前期比131.9%)と大幅増収となった。セグメント利益は、増収効果などもあり、2,499百万円(同146.1%)と大幅増益となった。
<南・西アジア>
シンガポール販売法人が前期を下回ったことに加えて、大規模市場のインド市場でも減収になったことにより、地域全体の売上高は8,984百万円(前期比94.3%)、セグメント利益は1,779百万円(同100.9%)となった。
<東アジア>
主要市場の中国や台湾などの市場で減収になったことにより、地域全体の売上高は1,554百万円(前期比65.1%)と減収となった。セグメント利益も減収により、439百万円(同73.4%)となった。
<日 本>
ASB機械顧客の需要が低調であったことにより、売上高は2,275百万円(前期比85.7%)となった。セグメント利益は、減収の影響により671百万円(同85.5%)と減益となった。
■2019年9月期の見通し
2019年9月期(2018年10月1日~2019年9月30日)は、競合他社との競争激化、為替相場の変動リスク、世界経済の変化など、外部環境の変化が想定される。このような中、ASB機械は、既存主力製品の生産性の向上や新製品の市場浸透を図ることにより、売上規模の拡大を進めていく。生産面では、新たに完成した国内工場とインド第3工場の稼働率を高めるなど、生産能力の拡充と製造コストの低減を進めていく。
以上の諸施策を的確に実施することにより、次期の経営成績については、次のとおり見込んでいる。
売上高300億円(前期比7.8%増)、営業利益59億円(同15.2%増)、経常利益63億円(同19.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益44億円(同1.2%増)の見通し。
なお、業績見通しの前提となる為替レートは、1米ドル110円、1ユーロ125円。
2018年9月期決算説明資料(11月30日開催)
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