DMG森精機が11月7日に発表した2018年12月期第3四半期(1~9月)における連結業績によると、売上収益は前年同期比16.5%増の3,532億38百万円、営業利益は同57.9%増の235億7百万円、税引前四半期利益は同71.4%増の200億55百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同94.9%増の133億50百万円となった。
1~9月における工作機械関連の受注額は、前年同期比14%増の3,844億円(前年同期3,360億円)と高水準の受注を維持した。多軸機、超音波加工機などの最先端加工機械のほか、DMQP(DMG MORIが認定した周辺機器)、Technology Cycles(アプリケーションソフトウエア)などを含む自動化システムのニーズが高く、受注単価の上昇が受注増に大きく寄与した。受注単価は35.1百万円と前年同期(32.6百万円)に比べ約8%上昇した。
地域別には、日本が前年同期比37%増とグローバルで最も高い伸びとなった。上期好調に推移していた半導体関連向けの需要はやや調整局面を迎えているが、機械部品、自動化関連部品、自動車及び同部品向けの受注が増勢を維持している。
米州も同20%増と好調に推移し、一般機械、自動車関連、航空機、メディカル向けが引き続き牽引した。欧州は同6%の伸びとなったが、前年9月の独ハノーバーでの大型展示会EMOで過去最高の受注を獲得した反動によるもので、欧州市場は高水準の基調が継続しているものと認識。一般機械、SMEs(Small Medium Enterprises)、航空機、エネルギー関連が下支えした。中国も同28%増と、大型輸送機器、インフラ関連向けに拡大した。
DMG森精機は、米中貿易摩擦の影響を現段階ではほとんど受けていない。また、10月16日に中国商務省が調査決定を行った立形マシニングセンタの不当廉売についても、DMG森精機は調査対象申請書の5社の中に含まれていない。中国を除くアジア地域はほぼ前年並みに留まり、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピンが牽引する一方、韓国、台湾、インドネシアなどが調整した。
第4四半期(10-12月)の工作機械関連の受注も、10月の伊BIMUショー、11月の日本JIMTOFなどの大型展示会の寄与などにより引き続き高水準で推移するものと期待している。今年度の工作機械関連の受注金額目標を再度増額し、4,900億円以上(従来目標4,800億円)を目指していく。
■2018年売上見通しは4,800億円見込む
売上収益については、好調な受注環境を背景として、2018年8月8日に公表した通期の連結業績予想を4,800億円(前回予想4,700億円、前期比11.7%増)に上方修正した。一方で、製造・物流コストの上昇が見込まれることから、営業利益380億円(前期比29.3%増)、親会社所有者に帰属する当期利益220億円(同44.1%増)は前回予想を据え置いた。
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