シチズンマシナリー、LFV技術の搭載可能機種がさらに拡大-ファナック製NC採用機にも搭載可能に

 シチズン時計は11月1日、子会社のシチズンマシナリー(本社:長野県北佐久郡御代田町)が、切削加工で長年の課題であった、切りくずに関するさまざまな課題解決を実現するLFV(低周波振動切削)技術の搭載可能機種を拡大したと発表した。新たにファナック製NC採用機にも搭載が可能となり、機能性とコストパフォーマンスに優れた「Cincom A20」に同機能を搭載、11月1日から東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2018」に出展、来春より発売を予定している

 LFV技術は、2013年のVC03を皮切りに、主力機種であるL20をはじめ、現在7機種に搭載している。これまでのLFV技術搭載可能機種は、全て三菱電機製NC採用機だったが、ファナック製NC採用機でも搭載可能となった。ファナック製NC採用機では、主軸1回転中多振動のLFV技術が搭載可能。

 LFV技術とは、シチズン独自の制御技術により、サーボ軸を切削方向に振動挙動させ、切削中に刃物があたらない「空振り」する時間を設けることで、切りくずを分断させる加工技術。これにより、小径深穴加工の効率向上や、切りくずが長くなりやすい難削材旋削加工でも切りくずが細かく分断できるなど、切削加工で長年の課題だった切りくずに関するさまざまな課題解決を実現。また、切りくず容量の大幅縮小や、ワーク表面への傷防止などにより、長時間高精度加工を実現する。

 シチズンマシナリーのLFV技術は、水平面、垂直面などの1軸切削時のみのLFV技術加工に限らず、円弧部や、斜め(テーパー)部などの加工時においても、2軸とも振動・補間を行ってLFV技術加工ができることを特徴としている。※1

 2016年に、シチズンマシナリーの主力機種である「Cincom L20」のLFV技術搭載機種を発売開始し、主に日本や欧州で好評だった。最近では米国やアジアでも購入を希望の顧客が増えている。今回のファナック製NC採用機への搭載可能により、さらに機種を拡大させ、拡販を目指す。

※1)三菱電機製NC採用機で実現している「2軸補間でも使えるシチズンのLFV技術」はシチズンの独自機能で、このほどファナックへ特別に開発を依頼した。

 ※LFVはシチズン時計株式会社の登録商標。

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