・通期見通しは売上・利益とも上方修正
住友重機械工業が10月31日に発表した2019年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、受注高は、その他部門を除く全部門で増加し、前年同期比20%増の4,614億円、売上高も、その他部門を除く全部門で増加し、前年同期比19%増の4,237億円となった。損益面では、機械コンポーネントや船舶などの部門で減少したものの、建設機械や環境・プラントなどの部門で増加し、営業利益は前年同期比18%増の341億円、経常利益は前年同期比14%増の331億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比8%増の214億円となった。
4~9月期における経営環境は、国内は企業業績の改善に伴い設備投資が堅調に推移し、海外は米国は内外需要の回復により製造業の生産回復が持続し、中国では工業生産が堅調に推移したことなどから、世界的に機械需要が増加基調の中にあった。その一方で、貿易摩擦の懸念や朝鮮半島等での地政学上のリスクの継続、一部新興国での為替、金融不安の顕在化など依然として不透明感が残る状態だった。同社グループは「中期経営計画2019」をスタートさせ、M&Aや設備投資など成長投資の積極的実施、業務品質の更なる改善への取組み、CSRの積極推進などの重点施策を推進した。
中小型の減・変速機、欧州や中国でのロボット用精密減速機の市況が堅調に推移したことや、Lafertグループ(Lafert S.p.A.等)を連結子会社化したことから、受注、売上とも前年同期に比べ増加した。この結果、受注高は683億円(前年同期比22%増)、売上高は624億円(同22%増)、営業利益は45億円となった。
<精密機械部門>
プラスチック加工機械で中国の電気電子関連の高い需要が持続したこと、その他機種で医療向けの極低温冷凍機の需要が増加したことなどから、受注、売上とも前年同期に比べ増加した。この結果、受注高は981億円(前年同期比13%増)、売上高は870億円(同13%増)、営業利益は77億円となった。
<建設機械部門>
油圧ショベル事業は、中国ほか海外向けで需要が伸長したことから、受注、売上とも前年同期に比べ増加した。建設用クレーン事業は、北米市場が回復傾向にあることや国内需要も堅調に推移したことなどから、受注、売上とも前年同期に比べ増加した。この結果、受注高は1,524億円(前年同期比24%増)、売上高は1,442億円(同15%増)、営業利益は131億円となった。
<産業機械部門>
受注は、産業用タービンが前年同期に比べ減少したが、製鉄向けが好調であった運搬機械事業などが増加し、前年同期に比べ増加した。売上は、受注同様に産業用タービンが減少したものの、多くの受注残がある鍛造プレスを中心に産業機器事業が増加したことなどにより、前年同期に比べ増加した。この結果、受注高は432億円(前年同期比8%増)、売上高は416億円(同8%増)、営業利益は30億円となった。
<船舶部門>
船舶事業は、修理船の受注はあったものの、市況低迷が継続し前年同期と同様に新造船の受注はなかった。また、引渡しについては、前年同期は3隻だったが、当期は2隻だった。この結果、受注高は121億円(前年同期比53%増)、売上高は190億円(同4%増)、営業利益は11億円となった。
<環境・プラント部門>
エネルギープラント事業は、バイオマス発電設備の受注は前年同期に比べ減少したもののSumitomo SHI FW Energie B.V.を連結子会社化したことから、受注、売上とも前年同期に比べ増加した。
一方、水処理プラント事業は、受注は前年同期に比べ増加したものの、売上は前年同期に比べ減少した。この結果、受注高は836億円(前年同期比21%増)、売上高は660億円(前年同期比61%増)、営業利益は36億円となった。
<その他部門>
受注高は37億円(前年同期比4%減)、売上高は34億円(前年同期比11%減)、営業利益は12億円となった。
■2019年3月期の売上見通しは400億円増の8,900億円に修正
海外向けの需要が増加している油圧ショベル事業が好調であることに加えて、新規取得したモータ事業の連結化により、売上高・営業利益・経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益に関し、5月8日に公表した連結業績予想を下記のとおり上方修正した。
売上高8,900億円(前回予想8,500億円、前期比12.5%増)、営業利益7,000億円(同6,400億円、同0.1%増)、経常利益410億円(同380億円、同0.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益410億円(同380億円、同18.3%増)となる見通し。
なお、第3四半期以降の主な為替レートは、1ドル=110円、1ユーロ=125円と想定している。
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