㈱タダノが10月29日に発表した2019年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高は822 億7 千2 百万円(前年同期比99.3%)、海外売上高比率は46.0%となった。日本向け売上高は、建設用クレーンが横ばい、車両搭載型クレーンと高所作業車が減少し、444 億7百万円(前年同期比92.7%)となった。海外向け売上高は、中東向け売上は大幅に減少したが、欧州・北米向け売上が増加し、378 億6 千4 百万円(前年同期比108.2%)となった。(前年同期比の表記は、当該企業の表記方法を採用しました)
売上は横ばいの中、コストアップや製品構成の変化により売上原価率が悪化し、販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は57 億4 千3 百万円(前年同期比67.2%)、経常利益は56 億7 千3 百万円(前年同期比67.6%)。親会社株主に帰属する四半期純利益は40 億8 千1 百万円(前年同期比68.4%)となった。
4~9月における建設クレーン業界は、日本では、東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設需要・復旧復興・防災減災・インフラ老朽化対策・民間建設投資等により稼働は堅調に推移した。ミニラフテレーンクレーンの排ガス規制駆け込み需要反動減により、需要は減少した。海外では、機種別・地域別にばらつきはあるものの、需要は回復基調となった。
なお、2018年1 月19 日に公表した米国排ガス規制の緩和措置に関する自己申告は、現在、米国環境保護庁との協議が進行中で、協議の終了時期は見通せないが、今後、開示が必要な事由が判明次第、適時適切に対応する。なお現在は、最も厳しい規制に適合するエンジンを搭載した建設用クレーンのみを販売しており、北米での販売に影響は出ていないとしている。
■セグメント別の状況。
(セグメント別とは、タダノ及び連結対象子会社の所在地別の売上高・営業利益であり、仕向地別売上高とは異なる)
1)日本:日本向けは、建設用クレーンが横ばい、車両搭載型クレーンと高所作業車が減少し、売上は減少した。一方で、海外向けは増加し、その結果、売上高は677 億4 千2 百万円(前年同期比100.1%)、営業利益は68 億2 千6 百万円(前年同期比84.1%)となった。
2)欧州:建設用クレーン売上は欧州域内・欧州域外が共に増加し、売上高は196 億6 千5 百万円(前年同期比121.5%)、新モデル移行や品質対応に伴うコスト増により、営業損失は3 億5 千1 百万円(前年同期は5 千4 百万円の営業利益)となった。
3)米州:北米での建設用クレーン需要が増加する中、ラフテレーンクレーンの需要回復が鮮明になり、売上高は154 億4 千7 百万円(前年同期比122.4%)、営業利益は6 千3 百万円(前年同期は3 千6 百万円の営業損失)となった。
4)その他:建設用クレーン需要が増加し、売上高は71 億5 千8 百万円(前年同期比141.7%)、営業利益は2 億7 千3 百万円(前年同期は1 千6 百万円の営業損失)となった。
■主要品目別の状況
1)建設用クレーン:日本向け売上は、ミニラフテレーンクレーンの需要が減少する中、新モデルと大型機種増販に取り組み、179 億1 千5 百万円(前年同期比98.7%)となった。
海外向け売上は、中東向け売上は大幅に減少したが、欧州・北米向け売上が増加し、306 億円(前年同期比111.2%)となった。
この結果、建設用クレーンの売上高は485 億1 千5 百万円(前年同期比106.2%)となった。
2)車両搭載型クレーン:日本向け売上は、トラック需要が前年同期比横ばいの中、搭載率の低下により、88 億1 百万円(前年同期比95.3%)となった。
海外向け売上は、東南アジア・中東向け販売体制を強化しているものの、8 億4 百万円(前年同期比95.9%)となった。
この結果、車両搭載型クレーンの売上高は96 億5 百万円(前年同期比95.3%)となった。
3)高所作業車:通信業界の設備投資の拡大はあったものの、インフラ点検補修用途のニーズを背景にしたレンタル業界向け売上が一巡し、高所作業車の売上高は、92 億8 百万円(前年同期比76.0%)となった。
4)その他:部品、修理、中古車等のその他の売上高は、149 億4 千3 百万円(前年同期比99.6%)となった。
■2019年3月期の見通し
中東向け及び主要海外子会社の業績に鑑み、2018年4 月27 日公表値を以下のとおり修正した。
2019年3月期の売上高1,850億円(前回予想1,920億円)、営業利益158億円(170億円)、経常利益155億円(同165億円)、親会社株主に帰属する当期純利益105億円(同115億円)となる見通し。
*前年同期比の表記は、当該企業の表記方法を採用しました。
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