台湾本社の空気圧機器メーカー、亜徳客(AirTAC)中国の10 月営業は旺盛な受注に転ずる

 工商時報:2018年10月17日報道より(グラフは当サイトが作成)

 空気圧機器メーカー大手の亜徳客(AirTAC)の営業は、6 月中旬から中米貿易摩擦の影響を受けているが、国慶節休暇後、中国本土企業の自動化設備に依然として基本的な需要があるために、受注と出荷比率は1.1 以上に回復し、閑散期でも落ちず、10 月上旬の出荷は昨年同期を上回っている。同社は、亜徳客の10 月の売上高は同期を上回るRMB(人民元)約2.32 億元になると推測している。(1元は約16.1円、台湾ドルは約3.6円)

 亜徳客の9 月の売上高はRMB2.77 億元で、前年同期比1.09%の減少、NT$(ニュー台湾ドル)に換算して12.43 億台湾ドルで、同比.28%の減少である。1~9月合計売上高はRMB26.15 億元で、同14.32%の伸び、NT$に換算して120.19 億台湾ドルで、同17.06%の伸びである。

 亜徳客財務部⾧の曹永祥は、亜徳客の8、9 月の売上高は中米貿易摩擦の影響を受けたが、受注と出荷比率は依然として1 以上で、従来の閑散期の受注と出荷比率0.9 レベルより勝っていると述べている。

 今年の国慶節休暇後、亜徳客の受注は明らかに増加し、受注と出荷比率は1.1 と回復し、中米貿易戦以来の閑散期でも好景気が現れており、10 月前半の出荷は前年同期を上回っている。

 曹永祥は、ユーザーは生産能力の拡充に積極的ではない、しかし、中国本土の賃金は毎年上がっており、来年の1 月1 日から五険一金(養老保険、医療保険、失業保険、労災保険、出産保険と住宅公共積立金を指す)が厳格に実施され、元来は地方政府の社会保険局が代理徴収していたのを、今後は税務局の代理徴収となる。

 企業の人件費が高くなることが、転じて本土企業の自動化設備購入となることから、基本的な需要はあり、これに関連して亜徳客の10 月前半の空気圧機器受注も明らかに伸びている。9、10 月は閑散期ではあるが、受注と出荷の比率は1 以上のレベルに回復していると述べている。

 曹永祥は、亜徳客の台南樹谷園区における、空気圧機器年間生産能力は10 億台湾ドルであり、空気圧製品の生産能力を増やすか否かは、出荷状況を見て決めることになる。2019 年の第1四半期には竣工する、台南樹谷園区の8、9 棟の工場建屋には、リニア―スライド式生産ラインを計画しており、逐次設備を増加することになる。生産能力は、2019 年末には30 億台湾ドルに達する見込みであると述べている。

 同社は、今年の売上高予測をRMB36 億元(約580億円)として、再度記録更新の挑戦に臨んだが、予想もしなかった中米貿易戦争開戦にぶつかり、ユーザーの購買意欲に影響したことで、第1~第3四半期(1~9月)の売上高はRMB26.15 億元となり、第4四半期は閑散期に当たるので、今年の売上高をRMB32 億元(約515億円)以上と下方修正しているが、それでも過去最高を更新することになるであろう。

参考:AirTAC International Group(亜徳客国際集団)

   亜徳客(中国)有限公司

   工商時報2018年10月17日