出光興産、徳山事業所でバイオマス発電所の事業化検討を開始

 出光興産は10月29日、徳山事業所(山口県周南市)において、バイオマス発電所の事業化検討を開始したと発表した。

 徳山事業所は、1957年に出光初の製油所として操業を開始した。それから57年後、2014年3月にエネルギー供給構造高度化法に伴い石油精製機能を停止し、現在は化学事業の主力拠点として競争力強化に向けた取り組みを実施している。

 バイオマス発電所プロジェクトは製油所跡地と既存の地域インフラを利用するものであり、今後徳山事業所は、新たに地球温暖化防止を目的とした非化石エネルギーの活用拠点としても生まれ変わる予定。同プロジェクトは発電出力が5万kWと大型であるため、営業運転開始後暫くは、燃料として再生可能エネルギーである輸入木質ペレットとパーム椰子殻(PKS)を使用する。中長期的には間伐材や製材端材等、国産材へのシフトを進める予定。これにより、環境保全に配慮した持続可能な森林づくりと林業再生、地域振興、循環型経済の構築と発展を目指す。

 出光興産ではエネルギーを取り巻く環境変化を踏まえ、エネルギー源の多様化とベストミックスの構築により、日本のエネルギーセキュリティへの貢献と再生可能エネルギー事業を推進していく。

<発電所概要>

場所:山口県周南市新宮町2200番地(出光徳山事業所内)

発電出力:50,000キロワット

年間発電規模:3億6千万kWh(約10万世帯分の電力)

燃料使用量:約23万トン/年

使用燃料:輸入木質ペレット,パーム椰子殻(PKS)(※)

CO2削減量:約23~30万トン/年

事業内容:バイオマス発電事業(再生可能エネルギー固定価格買取制度活用)

営業運転開始時期:2022年度内(目標)

 ※PKS(Palm Kernel Shell)パーム椰子の殻の部分。パーム油を生産する過程で発生する農作物残さ廃棄物。

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