オークマ、4~9月売上は21%増の1,003億円、営業利益は41%増の122億円

 オークマが10月29日に発表した2019年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、受注高は1,126億10百万円(前年同期比15.1%増)、売上高は1,003億74百万円(同21.0%増)となった。利益面は、営業利益は122億32百万円(同41.3%増)、経常利益は131億15百万円(同44.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は79億87百万円(同36.2%増)となった。

 オークマ2019年3月期第2四半期データ(10月29日発表)

 工作機械の需要動向によると、米国市場は、自動車や航空機関連、ジョブショップ(中小加工業者)など、幅広い業種で活発な設備投資が続いた。また、オイル・ガス関連からの需要も増加した。欧州市場は、一般機械や自動車等からの需要が堅調に推移した。中国市場は、インフラ投資の抑制や金融引き締めの影響、さらに米中貿易摩擦による様子見の動きも強まり、設備投資は減速に転じた。

 国内市場は、自動車や半導体製造装置、減速機等の好調業種の設備投資が継続するとともに、労働力不足への対応や生産性向上に向けた取り組みにより、大手・中堅企業のみならず中小企業においても積極的な設備投資が続いた。

■2019年3月期の見通し

 今後の世界経済の見通しについては、米中貿易摩擦の長期化と米国第一主義によるサプライチェーンの混乱が懸念され、世界経済は減速の可能性もある。工作機械もこの影響を受けると予想されるが、労働力不足、労働コストの上昇への対応と世界的な生産高度化の潮流により、需要は引き続き堅調に推移すると予想される。

 北米市場は、強い経済が継続し、また大型減税もあり幅広い業種で旺盛な設備投資が続くと予想される。欧州市場は、緩やかな経済成長が続き、設備投資も堅調に推移すると予想される。中国市場は、米中貿易摩擦による様子見の動きが強まり、暫くは減速が続くと予想される。しかしながら、労働力不足による自動化、無人化への対応や安定生産と高品質志向の高まりから、日本製工作機械のニーズが高まっており、需要は底堅く推移すると予想される。

 国内市場は、好調業種の設備投資が継続し、また、労働力不足への対応で自動化・省力化、そして、生産性向上に向けた積極的な設備投資が続くと予想される。

 このような経営環境の下、オークマグループは知能化技術を搭載したスマートマシンやIoTを駆使した高度なソリューション、また自動化技術・製品の提供により、総合ものづくりサービス企業を目指していく。

 販売戦略においては、国内および海外の展示会に積極的に参加し、オークマブランドの浸透と拡販を図っていく。中国市場では、中国で3つ目の拠点となる済南テクニカルセンターを開設し、技術サポート体制の強化により顧客開拓を進めていく。

 技術戦略においては、独自開発の革新的なロボットを高度に活用した自動化システムと工程集約に繋がる超複合加工機等のスマートマシンの開発を強化していく。また、IoTソリューションである「Connect Plan」を進化させ、AIを活用した稼働分析と改善活動を推進するスマートマニュファクチャリング技術の強化により、ものづくりサービスの提供を進めていく。

 製造戦略においては、立形・横形マシニングセンタの部品加工を行う可児第6工場(K6)を建設し、可児工場のスマートファクトリー化を進めていく。本社工場、可児工場のスマートファクトリーで高効率生産を推進し、高水準の受注に対応する生産拡大を進め、業績拡大を図っていく。

 2019年3月期の連結業績は、2018年4月27日に公表したとおり、売上高2,030億円(前期比11.5%増)、営業利益265億円(同17.8%増)、経常利益265億円(同17.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益175億円(同23.0%増)の見通し。

 オークマの2019年3月期第2四半期決算短信

 オークマの2019年3月期第2四半期決算(参考資料)