日立、大型産業機器事業を新設の「日立インダストリアルプロダクツ」に分社化

■「産業・流通・水」分野のプロダクト事業を強化

 ㈱日立製作所は10月26日、「電力・エネルギー」、「産業・流通・水」、「アーバン」、「金融・社会・ヘルスケア」の4つの注力分野の一つである「産業・流通・水」分野において、プロダクト事業の強化を目的として、2019年4月1日付で、日立の大型の産業機器事業を担っているインダストリアルプロダクツビジネスユニットを、新たに設立する「株式会社日立インダストリアルプロダクツ」(設立時予定=本社:東京都千代田区神田練塀町3番地、中村 慎社長、資本金4,000万円)として分社することを決定したと発表した。

■受注品は新会社、量産品は日立産機システムが担う体制

 今回の分社により、受注生産品を主とした大型の産業機器を手掛ける新会社「日立インダストリアルプロダクツ」と、主に量産品で構成される産業機器を手掛ける㈱日立産機システム(以下、日立産機)の2社に日立の産業機器事業を集約する体制とする。独立した事業会社による機動的な事業運営と、徹底したモノづくりの強化を進め、グローバルで競争力の高いプロダクトを提供していく。再編の方式として、日立のインダストリアルプロダクツビジネスユニットを吸収分割により、今後、新たに設立する準備会社に承継する。

 日立は2015年に、大型の産業機器事業を統合した組織として現在のインダストリアルプロダクツビジネスユニットを設立し、事業基盤を強化、製品競争力や収益性を高めてきた。今回、2019年度から始まる「2021 中期経営計画」を見据え、インダストリアルプロダクツビジネスユニットを新たに設立する「日立インダストリアルプロダクツ」として分社する再編を行うことにしたもの。

 新会社は、独立した事業会社として、意思決定の迅速化や専業メーカーとも戦える機動的な事業運営を行い、グローバルでトップポジションを狙える製品を迅速に開発・提供できる体制を構築する。また、デジタル技術を活用した強いモノづくりに加え、製造・販売からサービスまでを含めた事業の最適化を図り、グローバルでの競争力をさらに強化する。

 今回の再編により、受注生産品を中心に手掛ける新会社「日立インダストリアルプロダクツ」と、主に量産品を手掛ける日立産機の2社が共通の事業戦略のもと、日立のプロダクト事業をグローバルで主導するとともに、プロダクト・OT(*1)・ITを兼ね備えることを強みとする日立の社会イノベーション事業において、重要な役割を担っていく。

 また、日立は、「Lumada」を活用したデジタルソリューション事業を推進するフロントと、競争力のあるプロダクト事業が一体となった事業戦略を実行するため、「産業・流通・水」分野内のビジネスユニットやグループ会社を横断し、戦略を立案する経営統括機能も強化する。デジタルソリューション事業とそれにつながるプロダクト事業で産業分野における最適な事業体制を構築していく。

 *1 OT:Operational Technology(制御・運用技術)

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