三菱重工業は10月25日、名古屋航空宇宙システム製作所 大江工場(名古屋市港区大江町10)のグランド跡地に工場建屋を新たに建設し、現在、岩塚工場(名古屋市中村区岩塚町字高道1)内にある射出成形機を手掛けるU-MHIプラテック(U-MHIPT、本社:名古屋市中村区、三菱重工15%出資)の新工場として貸与する。
新工場は、名古屋鉄道(名鉄)東名古屋港駅近くの場所約1万8,000㎡に今年12月に着工する。2020年3月に完成し、U-MHIPTでは同年7月に移転を完了する予定。新工場では、製造設備・材料・仕掛品等が分散配置されている現状の課題を解消するため、製造工程を考慮したレイアウトに一新することで効率的な生産が行えるようになる。また、同社の主要顧客である東海地方を中心とする自動車産業に近い名古屋地区に最新の製造拠点を置くことで、同社の競争力強化が期待できる。
一方、岩塚工場は、1943年に現在の地で航空機用エンジンの鋳鍛造部品の生産をはじめ、射出成形機、食品包装機械、メイキエンジン(小型空冷式ガソリンエンジン)などを生産し、産業用機器における中量産品の製造拠点として機能を果たしてきた。これらのうち、食品包装機械については、今年10月より三菱重工機械システム(本社:神戸市兵庫区)神戸工場で生産を開始し、来年3月に移転を完了する予定。また、メイキエンジンについては三菱重工メイキエンジン(本社:名古屋市中村区)が来年9月末までに愛知県内に新鋭工場を確保のうえ、移転する計画。(三菱重工の事業所・工場)
現在、岩塚工場で手掛けている各事業は、他事業との集約・再編および他社とのアライアンス等により他地域・別工場に移転する運びとなったため、U-MHIPTが新工場に移転した後の2020年8月以降は検証設備等の総合研究所エリアを除き、新しい用途を開拓する。具体的には、福利厚生施設や商業施設などの複合開発を検討していく。
三菱重工グループは、今後も事業規模と収益性の両立を指針としてグローバル市場で存在感を高めていくために、全体最適の経営を積極的に推進していく。
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