日揮、洋上風力発電案件の設計・調達・建設(EPC)プロジェクトへ参入

・11月1日付で「ウィンドパワープロジェクト室」を新設

 日揮(JGC CORPORATION、本社 横浜市西区)は10月24日、中期経営計画「Beyond the Horizon」に掲げている再生可能エネルギー発電分野の事業領域拡大に向けた取り組みの一環として、国内・外で数多く計画されている洋上風力発電案件の設計・調達・建設(EPC)プロジェクトへの参入を目指して専門組織を設置し、本格的な取り組みを開始したと発表した。11月1日付で社長直轄の「ウィンドパワープロジェクト室」を新設し、案件の開拓から見積り、プロジェクト遂行に至るまで、一貫して遂行する体制を構築する。

 日本国内では、資源エネルギー庁が今年7月に公表した第5次エネルギー基本計画において、風力発電分野を日本国内の再生可能エネルギーの主電源の一つとして位置づけており、国内の総発電容量の約1/3に匹敵する9,000万キロワットの潜在性があるとも言われている。加えて日本国内では、これまで主に陸上風力発電が中心だったが、今後は洋上風力発電の拡大が見込まれ、北海道・東北・九州地方を中心に十数件のプロジェクト計画が存在し、新たな洋上風力発電市場として世界からも注目されている。また世界においても、風力発電の出力量は、2017年末時点の5億3,900万キロワットから、2022年には55%増加すると予測されている。

 こうした新しい市場に対し、日揮は、世界約80か国、2万件を超えるプロジェクトで培ったEPC計画全体を最適に取り纏めるプロジェクトマネジメント力、土木・電気を中心とするエンジニアリング技術、世界規模で案件毎に最適な資機材を集める調達力やこれを的確に建設地に運ぶ輸送ノウハウを活かして、積極的に洋上風力発電分野に参画していく予定。

 洋上風力発電分野への参入を早期に実現するための戦略の一つとして、多くの実績を持つ海外の同業他社をはじめ、国内外の重電メーカーなどとの協業も視野に入れて取り組んでいく。

 既に日揮は、日本国内における洋上風力発電プロジェクトのEPC受注を目指して事業化調査(Feasibility Study:FS)や基本設計(Front End Engineerigng and Design:FEED)を含めた営業活動を開始しているが、それと並行し、ベトナムや台湾などのアジア諸国における風力発電プロジェクトの受注に向けた営業活動も開始している。

 日揮は、2016年度からの5か年を対象とする中期経営計画「Beyond the Horizon」において、発電を中心とするインフラ分野における事業拡大を基本方針の一つとして掲げている。その中でも、再生可能エネルギーは中核分野の一つであり、これまで日揮は国内外の大規模太陽光発電設備やバイオマス発電設備のEPCプロジェクトに数多く取り組んできた。洋上風力発電分野にも積極的に取り組んでいくことで、日揮の事業ポートフォリオ拡大のみならず、世界の再生可能エネルギーのさらなる発展・普及にも貢献していくとしている。

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