・航空エンジン需要の拡大に対応 21年ぶりの新拠点
㈱IHIは10月18日、埼玉県鶴ヶ島市に新たな生産拠点を建設するため、埼玉県と土地売買契約を締結したと発表した。今後IHIは、成長著しい民間航空エンジン事業を拡大するため、民間航空エンジン向け整備工場を建設し、2019年内の稼働開始を目指す。生産拠点の新設の決定は、1998年の相馬事業所(福島県相馬市)開設以来、21年ぶり。
IHIは、主力事業である航空エンジン事業において、様々な民間航空エンジンの国際共同開発事業に主要パートナーとして参画し、エンジンの設計・開発・製造からメンテナンスまでのライフサイクル全般で事業を展開している。
特に、アジアを中心とする航空旅客輸送量の高い成長を背景とした航空機の需要増大に対応するため、これまでに、既存拠点への設備投資や改善などによって能力増強を図ってきた。今後も継続的に、IHIが参画するエンジンの運航台数・時間が増大すると見込まれる中で、航空会社のニーズに応えるため、新工場を建設することを決定した。
航空エンジンは、約30万点にも及ぶ部品で複雑に構成されており、航空機の安全で快適な運航のため、厳しい品質管理と20年以上の長期にわたるライフサイクルサポートが求められる。IHIはこれまで、航空エンジンの分解・洗浄・検査・部品修理・組立・試運転といった航空エンジン整備に必要な全工程を瑞穂工場(東京都西多摩郡瑞穂町)で行っており、その高い整備能力は、世界19カ国の航空当局から認められている。
IHIは、新拠点において、航空エンジンの高度なものづくりシステムにIoT・AIなどの新技術を導入するとともに、瑞穂工場との事業運営の相乗効果によって、世界最高水準の効率的な生産体制を構築し、一貫した航空エンジンサービスを提供する。また、近接の高速道路を通じた空港への優れた交通アクセスも生かすことで、国内外の様々な航空会社に対して、より短い工期で高品質なエンジンサービスを提供していく。
IHIは、新拠点を加えた新たな生産体制のもと、航空エンジン事業における世界トップレベルの競争力の獲得に努め、この新拠点の有効な活用によって地域経済の発展に貢献するとともに、今後も、環境性能に優れる様々な航空エンジンを提供し、世界中の航空機の安心・安全・快適な運航を支えていく。
<新工場の概要>
建設予定地:埼玉県鶴ヶ島市大字太田ヶ谷字沼北176-1ほか
敷地面積:136,100㎡
延床面積:約35,000㎡
稼働開始:2019年内(予定)
投資額:約245億円(2021年3月までの計画)
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