日本ゼオン、敦賀市産業団地に新工場建設、2020年4月から量産開始

 日本ゼオンは10月16日、福井県敦賀市の光学フィルム工場において、大型TV向け位相差フィルムの製造ラインを新規増設することを決定したと発表した。2020年4月の量産開始を予定している。

 日本ゼオンは光学フィルム(製品名:ZeonorFilm® 以下、ゼオノアフィルム)を、グループ企業で製造子会社である㈱オプテス北陸工場の3拠点:高岡製造所(富山県)、氷見製造所(富山県)、敦賀製造所(福井県)で製造している。

 ゼオノアフィルムは、日本ゼオンが独自のポリマー設計技術で開発した熱可塑性プラスチック(シクロオレフィンポリマー)を、世界初となる溶融押出法により生産された光学フィルム。シクロオレフィンポリマーの特性である高い光学特性と優れた寸法安定性を有しており、大型TVやモバイル機器のディスプレイに、視野角補償や反射防止等の機能を持たせる位相差フィルムを中心に需要が拡大している。

 今回の投資は、液晶パネルの大型化に対応するもので、特徴として世界最大幅(2,500mm幅クラス)の位相差フィルムの生産を可能としたもの。新ラインの生産能力は、年間5,000万㎡の計画であり、既設の能力と併せて、TV向け位相差フィルムの生産能力は16,900万㎡となる。当該用途の生産拠点を、富山県砺波市福井県敦賀市に分散させることになり、BCPの観点からも有効な対策と考えている。敦賀地区での既に購入済みの敷地に新規設備を建設する。量産開始は2020年4月を予定しており、操業人員の新規雇用を計画している。

<新工場の概要>

建設場所:敦賀市産業団地日本ゼオン敷地内(敦賀市莇生野)

土地面積:約3.2ha

建物面積:約9,700㎡

延床面積:約13,000㎡

新規雇用:20~30名程度

着工:2019年 2月(予定)

竣工:2019年12月(予定)

事業内容:液晶テレビ向け光学フィルムの製造

 ニュースリリース