タクマ、サラ向けバイオマス発電設備のO&Mを受託

 ㈱タクマは10月17日、同社グループ会社の㈱タクマテクノス(本社:東京都中央区)と共同で、㈱サラ(本社:岡山県笠岡市)より民間企業向けではタクマ初となるバイオマス発電設備のO&M(Operation & Maintenance)を受託したと発表した。

 ㈱サラは、半閉鎖型グリーンハウスを用いた野菜栽培とバイオマス発電を組み合わせた世界最先端の施設園芸事業を推進するベンチャー企業。現在、岡山県笠岡湾の広大な干拓地で国内最大規模となる13haの半閉鎖型グリーンハウスとバイオマス発電プラントの整備を進めている。操業が始まる2019年4月からは、美味しく、新鮮で、安全・安心なチェリートマト、パプリカ、リーフレタスが年間を通じて出荷される。

 タクマは、今回のO&Mの受託に先立ち、同社よりバイオマス発電設備と燃焼ガス浄化装置を受注し、現在、設備の建設工事を行っている。設備は主にPKS(パーム椰子殻)等の輸入木材や、周辺地域の一般木材をバイオマス燃料として利用するもので、発電規模は10,000kWになる。受注した設備で発電した電力の一部をグリーンハウスに供給するとともに、回収した熱を野菜栽培に必要な暖房・除湿冷房用の熱源として利用するほか、燃焼ガスから精製した二酸化炭素を野菜栽培に活用する計画とされている。また、発電した電力は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の適用を受ける計画で、タクマグループの㈱タクマエナジー(本社:兵庫県尼崎市)が当該電力を購入する予定。

 今回受託したO&Mは、稼働開始後20年間の設備の運転管理とメンテナンスを一括して受託するもので、タクマと、タクマグループ会社で都市ごみ焼却施設等の運転・維持管理事業を行うタクマテクノスが共同で取り組む。タクマ独自開発の運営支援システムPOCSYS®を導入し、都市ごみ焼却施設のDBO・O&M等の運営事業で蓄積してきたノウハウを水平展開することで、より高品質で効率的な運転・維持管理を目指す。

  2012年7月の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の開始以降、バイオマス燃料を用いた発電事業への取り組みが活発化しており、タクマは制度開始以降、同制度の適用を受けるバイオマス発電設備を30基以上受注している。近年ではバイオマス発電設備の運転経験の無い顧客からの引合いも増加しており、設備の建設だけではなく、設備の運転管理や電力の取扱い等、顧客のニーズも多様化してきている。タクマグループは、バイオマス発電や都市ごみ焼却の分野で長年リーディングカンパニーとして培ってきた経験・ノウハウをもとに、設備の建設にとどまらず、発電事業に必要なプラント運転管理やO&Mの提案等、グループ一丸となって、顧客の事業に寄り添う最適な提案を行い、多様化するニーズに応えていく。

 画像上:(スキーム図)/ 画像下:(完成イメージ図)

<事業の概要>

工事名称:SARAパワー発電所建設工事

設置場所:岡山県笠岡市

発電規模:10,000kW

主な燃料:PKS等の輸入木材、一般木材

完成予定:2019年3月

O&M受託期間:2019年4月1日~2039年3月31日(予定)

 ニュースリリース