川崎重工業は10月15日、韓国最大手のセメント会社である雙龍洋灰工業〔Ssangyong Cement Industrial社(サンヨン セメント インダストリアル社)〕東海工場向けにセメント排熱発電設備を納入し、営業運転が開始されたと発表した。
同社東海工場は、生産量が年間1,100万トンを超える韓国最大のセメント工場。営業運転が開始された設備は、既設のセメント製造の焼成工程において発生する排ガスの熱を回収して発電を行う排熱回収ボイラ10缶と蒸気タービン発電設備1基などで構成され、発電出力は世界最大の43,500kWに達する。川崎重工はプラント全体のエンジニアリング、排熱回収ボイラや蒸気タービン、制御装置などの供給、客先供給機器の基本設計および工事・試運転の技術指導を担当した。同設備の設置により、これまで大気に排出していたセメントプラントの排ガスを有効活用し、プラント全体の電力消費量の約30%を賄うことができるとともに、年間約17万トンのCO2削減にも貢献する。
川崎重工グループは、1980年に国内向けに初めてセメント排熱発電設備を納入して以来、世界のリーディングカンパニーとして、国内の13プラントをはじめ、中国、韓国、ベトナム、インド、ドイツなどの海外を含め約250プラントの納入実績を有しており、発電出力合計は約270万kW、CO2削減効果は年間1,100万トンに達する。また、韓国においても、今回の案件を含め4プラントの納入実績があり、これらに裏付けられた川崎重工の信頼性や技術力が高く評価されている。
世界的に地球温暖化防止への関心が高まる中で、セメント排熱発電設備をはじめとする省エネルギー・環境負荷低減製品に対する需要は、先進国・発展途上国の垣根なく増大していくものと期待されている。川崎重工は今後も引き続き、環境保全に貢献する製品の開発・販売を積極的に展開していく。
コメントを投稿するにはログインしてください。