アシックス、安川電機の産業用ロボットでシューズの自動生産システムを開発

 ㈱アシックスは10月15日、シューズの新たな生産方法として、㈱安川電機の産業用ロボットによる自動生産システムを開発したと発表した。開発した生産システムは、主にシューズのアッパー(甲被)と靴底の貼り合わせ工程を自動化したもので、接着面のプラズマ加工、搬送、接着剤の塗布をロボットにより行うもの。これにより、当該プロセスの生産効率を従来比2倍以上に高めることが期待できる。

 開発したシステムは、アシックスが長年のシューズ開発、生産を通じて培った知見を基に、アシックススポーツ工学研究所で研究、設計したもので、産業用ロボットについては、同業界で世界をリードする企業の一社である、㈱安川電機社製の機器を利用している。今後、アシックスのシューズ生産拠点の一つである自社工場の山陰アシックス工業(鳥取県境港市)に順次導入し、ライフスタイルシューズやウオーキングシューズの生産に活用していく。

 近年、顧客のニーズは多様化しており、さまざまな要望に対し、柔軟、かつ迅速に応える多品種少量生産への対応が求められている。そのような状況の中、アシックスは産業用ロボットによる省力化を推し進めるだけでなく、ロボットと人の融合による高付加価値な生産システムの研究に力を入れている。開発した生産システムはその一部であり、段階的にロボット化を図るとともに、人にしかできない価値の追求を推し進めていく。

 将来的には、AIやIoTを活用したマスカスタマイゼーションの実現も視野に入れており、顧客のニーズに沿った商品の提供だけでなく、輸送にかかる時間の短縮や輸送時のCO2排出抑制にも挑戦していく。

 また、アシックススポーツ工学研究所と山陰アシックス工業を中心に、多品種少量生産工程のさらなる自動化の研究を進めるとともに、一部の海外工場で行っている、少品種大量生産に向けた自動生産システムの開発などにも一層取り組んでいく。

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