川崎重工、中国でストーカ式ごみ焼却発電施設を6件連続受注

 川崎重工業は10月11日、中国CONCHグループとの合弁会社である安徽海螺川崎工程有限公司(以下、ACK)が、中国において川崎重工から技術供与を受けたストーカ式ごみ焼却発電施設を6件連続受注したと発表した。受注した合計6機は、江西省上高県、安徽省霍邱県、山東省泗水県、陜西省洋県、安徽省霍山県、重慶市石柱県向けで、2019年10月までに順次納入する予定。

 今回受注したストーカ式ごみ焼却発電施設は、川崎重工の技術と品質に裏付けられた日本国内での豊富な実績と信頼性をもとに、中国のごみ性状に合わせて最適化したもの。「Waste to Energy」を図るためにごみ焼却熱を有効利用した効率の高い廃棄物発電システムで、2016年1月の第1号施設の稼動以降、急速に受注を伸ばしており、今回の連続受注含めて受注累計が16件になった。

 また、川崎重工とCONCHグループが共同開発したセメントキルンを利用した環境配慮型ごみガス化システム「CKKシステム(CONCH Kawasaki Kiln System)」もACKを通じ事業展開している。CKKシステムは、セメントプラントに併設したごみ処理システムで、都市ごみ・下水汚泥をガス化し、セメントプラントの燃料・原料として有効利用することで完全なゼロエミッションを実現します。2010年には国連工業開発機関が新興国向けのエネルギー再利用技術を評価する「ブルースカイ賞」で優秀20社の一つに選定された。

 この世界で唯一の環境・省エネルギーシステムは中国で既に26件の受注実績を有しており、今回のストーカ式ごみ焼却発電施設の連続受注により、CKKシステムと合わせた中国におけるごみ焼却施設受注累計は42件となった。

 中国や東南アジアをはじめとする新興国では、都市化の進展に伴い増加する都市廃棄物の処理が喫緊の課題となっている。川崎重工は、今後もACKへの技術サポートを強化し、ストーカ式ごみ焼却発電施設とCKKシステムの両輪にて中国のみならず新興国へ環境・省エネ製品を普及させることに努め、地球環境に貢献していく。

 CONCHグループ:中国最大手で世界有数のセメントメーカーであるCONCHセメントを傘下に持ち、セメントや建材、環境事業、貿易等の事業を展開している企業集団。

■今回受注したストーカ式ごみ焼却発電施設の概要

     納入施設/建設場所/処理能力/発電規模

上高県ごみ発電施設:江西省上高県/400t/日×1/9MW

霍邱県ごみ発電施設:安徽省霍邱県/300t/日×1/6MW

泗水県ごみ発電施設:山東省泗水県/400t/日×1/9MW

洋 県ごみ発電施設:陜西省 洋県/300t/日×1/6MW

霍山県ごみ発電施設:安徽省霍山県/400t/日×1/9MW

石柱県ごみ発電施設:重慶市石柱県/300t/日×1/6MW

<安徽海螺川崎工程有限公司の概要>

英文社名:ANHUI CONCH KAWASAKI ENGINEERING CO.,LTD.

本店所在地:中華人民共和国 安徽省蕪湖市

代表者:何 承発

設立年月日:2006年12月13日

資本金:1億人民元(川崎重工49%、安徽海螺グループ51%)

事業内容:環境対策・省エネルギー設備、セメント排熱発電設備、セメント製造設備に関する設備・構成機器の設計、開発、調達、品質管理、販売、建設工事管理、技術サービス

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