プライメタルズテクノロジーズ、英国のブリティッシュスチール社向け線材圧延機のアップグレード工事を受注

 プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は9月20日、英国のブリティッシュスチール(British Steel)社から、同社スカンソープ製鉄所向けに新線材圧延ラインの設計、製作、据付工事を受注するとともに、既存の線材圧延工場に設置されている条鋼圧延機のアップグレード工事を受注したと発表した。これは英国で生産する線材の品質改善と生産対象の製品サイズ大口径化の取り組みの一環で、製品サイズの拡充より、同社は新規市場に展開可能となる。この圧延機へのIndustry 4.0 導入の第一段階としてメカトロニクスパッケージとスマートセンサーが投入される。

 このプロジェクトでは、既存の線材圧延機4ストランドのうち2 ストランドを大量生産用の高速処理設備に更新するほか、線材用材料を仕上圧延機(RSM)に装入して幅広いサイズの製品を生産する仕上前圧延機(PFM)バイパスラインを2 系列導入する予定。

 今回の契約では、既存の圧延機系列、仕上前圧延機(PFM)および高速トリムシャの改良工事として、新設の230 Vee 仕上前圧延機(PFM)、せん断機、高速切替機能搭載の4 スタンドMorgan 仕上圧延機(RSM)、Morgan 横行ウォーターボックス及び蓋付トラフ、高速交換ロボット付のピンチロール及びレイングヘッド、10 ゾーンに渡るMorgan ステルモアコンベヤー(Stelmor conveyor)、特許取得済みのコイル整形用無段リフォームステーション、垂直ステムパレットコイル処理システムを納入する予定。

 さらに圧延機ラインへのIndustry 4.0 導入の第一段階として、断面ゲージとスマートセンサー付レーザー式速度監視システム用のメカトロニクスパッケージも納入される。

 線材圧延機ラインが稼働すると、製品精度に加えて表面および微細組織の品質が向上し、圧延最高速度は毎秒110m、生産能力は毎時153 トン、年産70 万トンになり、直径最大28 mm までの製品サイズが生産可能となる。

 このスカンソープの線材圧延工場は一貫製鉄所の生産ラインとして1976 年に稼働が開始され、自動車、建設、エンジニアリング、一般消費材用などの市場向けに線材製品の製造を行っている。

■ブリティッシュスチールについて

 ブリティッシュスチールは、19 世紀に操業を開始した英国内の主要鉄鋼会社14 社を英国政府が統合して1967 年に設立、1987 年に民営化された。

 1999 年にコーニンクレイケ・ホーゴベンス社(Koninklijke Hoogovens)と合併してコーラス社(Corus)となった後、2007 年にタタスチール社(Tata Steel)によって買収されてタタスチールと改名された。

 さらに2016 年6 月にはグレイブル・キャピタル社(Greybull Capital)がタタスチールのうち欧州の条鋼製品事業を買収し、この新会社をブリティッシュスチールと新たに命名した。同社は、英国内市場用として形鋼、特殊形状鋼、線材の製造を行うほか、英国とフランスではレール製造を行い、英国とアイルランドに製品販売センター及びサービスセンターのネットワークを保有している。

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