丸紅は9月18日、石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業に関する取り組み方針を策定したと発表した。
丸紅は、気候変動を人類共通の重要な課題と認識している。地球環境と社会との共存共栄を脅かす問題であり、丸紅の事業や丸紅を取り巻くステークホルダーにとっても影響が大きく、早急に取組むべき課題であると考えている。このような認識に基づき、サステナビリティ経営推進の一環として、世界の気候変動対策への取り組みに貢献すべく、丸紅の石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業に関する取り組み方針を定めたとしている。
1.脱石炭火力発電へのプロセス
電力事業のグローバルプレーヤーとして、丸紅の発電ポートフォリオからの温室効果ガス排出量を低減させていく。石炭火力発電事業によるネット発電容量を、2018年度末見通しの約3GWから2030年までに半減させる。また、新技術の導入等による保有資産の効率化、環境負荷軽減を積極的に推進する。
2.新規石炭火力発電事業への取組み
新規石炭火力発電事業には原則として取り組まない。但し、BAT(Best Available Technology,現時点では超々臨界圧発電方式)を採用し、且つ日本国政府並びに案件実施国の国家政策(電力安定供給、貧困・雇用対策、経済成長策)に合致した案件については取り組みを検討する場合もあるが、例外的に取り組む場合でも、低炭素社会の実現、効率的な電力システムの構築、エネルギー源の多様化などに向けた提案を行い、当該国・地域の課題解決に貢献する。
3.再生可能エネルギー発電事業への積極的な取組み
再生可能エネルギー発電事業の拡大に向け、再生可能エネルギー電源の比率を、ネット発電容量ベースで現在の約10%から2023年までに約20%へ拡大することを目指す。また、全契約電力量約3GWの内、再生可能エネルギー電源比率が約80%を占める英国連結子会社SmartestEnergy社(*1)をはじめとする、電力卸売・小売業における再生可能エネルギー電源の取扱いの拡充を推進し、低炭素社会の実現に貢献していく。
今回の方針の達成に向けて、丸紅を取り巻く多様なステークホルダーとの適切な連携・協働に努め、目標に対する進捗状況についても、積極的に開示していく。また、外部環境の変化を踏まえ、OECD公的輸出信用アレンジメントをはじめとする各種国際ガイドラインを参考とし、石炭火力発電事業・再生可能エネルギー発電事業を巡る各国政策ならびに国際状況を十分に認識した上で、気候変動対策の観点から適宜方針の見直しも行う。
丸紅は、ESG課題への取り組みを強化することを目的として、2018年4月に社長直轄のサステナビリティ推進委員会を発足した。発足以来、外部の意見も取り入れながら、マテリアリティの特定と定期的な見直しをはじめとする、丸紅のESG課題への取り組みに関する基本的な方針や施策について、同委員会で討議を重ねている。討議内容を踏まえた方針・施策については、ESG関連情報と一元集約化した段階で報告する。
*1:丸紅が2001年に英国において設立。再生可能エネルギー電源を中心に独立系中小発電事業者から電力を買い取り、市場への卸売および法人などの需要家への小売を行う。