三井E&Sマシナリー、トンネル覆工表面を高速・高精度で撮影可能な特殊車両を導入

・高精度カラー画像で0.2㎜のひび割れを検知

 ㈱三井E&Sマシナリー㈱トノックス(本社:神奈川県平塚市)は9月3日、トンネル覆工表面の状態を高速かつ高精度で撮影可能な検査車両「トンネルキャッチャー3(以下、TC3)」を開発、2018年9月から運用を開始すると発表した。

 昨今、社会インフラの老朽化が表面化し、全国的にインフラ設備の長寿命化計画が進められている。長寿命化にあたり、維持管理のための調査・点検の必要性が高まる中で、技術者不足を支援するための調査・点検の効率化技術や機械化が求められている。

 今回、トノックス社の所有する特装車開発と表面撮影技術によりトンネル表面撮影車として実車化した。TC3は、高精度ラインセンサカメラを採用、取得画像のカラー化と日本コンクリート工学協会が定める「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針」の基準値である0.2mm幅のひび割れ検出とともに、高速道路でも規制を必要としない時速80㎞での計測走行を可能とすることで、調査の高速化・高精度化を両立した。これにより、トンネル維持管理における効率化および高度化が期待できる。

 また三井E&Sマシナリーでは、電磁波レーダ技術によるトンネル覆工コンクリート内部や背面の空洞探査業務を行っており、同車両の導入でトンネルの表面と内部の一括調査が可能となった。これらトンネル検査データの共有・統合により、トンネルの健全性についての総合的な判断ができるようになる。

 三井E&Sマシナリーは、グループ会社の㈱三井E&Sテクニカルリサーチが実施している路面下空洞探査サービスをはじめ、橋梁床版調査、トンネル覆工検査など、電磁波レーダ技術を基本にそれぞれのニーズに合ったインフラ非破壊装置を自社開発してきた。トノックスでは、トンネル壁面や道路表面の性状計測が可能なレーザー計測システムを開発、自社でもつ車両架装・特装技術を活かした車両化により、高い計測能率と品質を実現している。

 両社は技術を生かして共同開発を進めており、2016年には三井E&Sマシナリーのレーダ技術とトノックスのレーザー技術を融合して、道路内部と表面を同時計測可能な探査システムを共同開発している。今後も各種機器、装置の開発を進め、顧客のニーズにマッチした先進的な検査サービスを提案、顧客満足を高めていく。

 三井E&Sグループは、2016年度~2025年度にかけての長期の方向性を示す「2025ビジョン」において注力する領域として「社会・産業インフラ」を掲げている。特に交通インフラ(トンネル、道路、橋梁)では老朽化に伴い保全、補修の需要が高まっており、同グループでは、今後もこうした社会的課題の解決のため、グループの総力を挙げて貢献していくとしている。

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