コベルコ建機、生産性と安全性を兼ね備えたICT 建機など、ICT ロードマップを発表

 コベルコ建機は、国が進めるi-Construction を軸としたICT 導入方針に従い、「ホルナビ」(顧客が必要としていることを建設機械メーカーとしてのイノベーションにより解決へと導く独自の情報化施工ブランド)を軸としたICT 建機の開発に2016 年より取り組んできたが、8月28日、更なる生産性や安全性、働き方そのものの変革までを見据え、新モデルや新技術を含めたロードマップを策定したと発表した。

 このロードマップにおける新型ICT 建機および新技術の開発については以下の通り。

<ロードマップ概要>

 コベルコ建機では、ICT への取り組み当初より、コベルコ建機だけで完結するのではなく、測量機器メーカーを中心とした関連企業との協業によりソリューションを提供することで、顧客のニーズに合わせた、マルチシステムを構築し、i-Construction での対応力向上を目指している。

 コベルコ建機としては、これまでの生産性や安全性の向上というi-Construction の大きな目的に加えて、新たに「誰でも働ける現場」という大きなテーマを立ち上げ、その実現に向けて中長期的に研究・開発を進めていく。

 足元においては、

①『ホルナビ』や『ホルナビ+PLUS(プラス)』のブランドで既に販売を行っている、2DMG※1 や3DMC※2などの対応メーカー拡大や機能の拡充による省力化/スピードアップ/コスト削減の推進

②『K-EYEPRO※3』による作業時の安全性向上

③『Kスキャン※4』によるICT を活用した予防保全機能の展開。

 さらに、中長期的な技術開発として、2020 年の5G 通信規格を見据えた、実機に搭乗しているような臨場感の再現を目指す次世代遠隔操作システム「K-DIVE」、オープンイノベーションによる研究・開発で更なるソリューションを実現する「K-Lab.」など、コベルコ建機のみの研究開発体制に限定されない、産学連携を軸としたオープンマインドな共同研究開発を通して、これらの新技術の確立を推進していく。

 結果、それらを複合的に進めていくことによって、より顧客に寄り添った提案を可能とし、現場が抱える課題を解決に導くことを目指していく。

<新型ICT 建機>

 既に製品化されているICT 建機のラインナップを、㈱トプコンライカジオシステムズTrimble 社(アメリカ)、engcon 社(スウェーデン)、BRIDGIN 社(フランス)など幅広いメーカーと連携しながら拡充、新機能の開発を行っていく。

1)SK200-10 3DMC(トプコン)

 SK200-10 のMC 対応に向けて、トプコン社と共同検証を進め、2018年12月より販売を予定している。ベースとなる2DMG から3DMG、3DMC へのアップグレードが可能。

2)SK135SR-5 3DMC(Trimble)

 SK135SR-5 のMC 対応に向けてTrimble 社と共同検証を進め、今秋より販売を予定している。SK135SR がラインアップされることで、現状では20t クラスのみだった『ホルナビ+PLUS(プラス)』に後方超小旋回型油圧ショベルが加わる。

3)SK200-10 3D チルトローテータMC

 SK200-10 のチルトローテータバケットに対応したフルマシンコントロールシステム(仮称)をengcon 社ならびにライカジオシステムズ社との共同開発により、来春より販売を予定している。

 3DMC とチルトコントロールを同時に自動制御できる油圧ショベルとしては業界初の技術となり、アーム操作だけでブーム上下とバケット角度、チルト角度を自動制御し、機械を走行させ位置を変えることなく、掘削/整形可能な施工範囲が飛躍的に拡大する。

4)iDig

 すでに販売しているBRIDGIN 社の2DMG システム「iDig」をベースに、世界で初めてオフセットブーム(UR 機)への対応を可能としたシステムを同社と共同開発した。また、ドーザブレード(排土板)のガイダンス機能を持った新製品「iDig ドーザ(仮称)」の共同開発も進めており、来春より販売を予定している。ドーザブレードのガイダンスを可能とすることで、整地作業における生産性向上が実現可能。また、システムの取り付け・取り外しが容易なため、複数の現場や機械で共用することが可能となる。

<新たな技術開発>

 社会が求める将来のニーズを見据えた革新的な技術の開発を進めていく。

1)K-DIVE Concept

 現場にある油圧ショベルのキャブに実際に乗って操縦しているかのような臨場感ある操作感覚で、長時間作業しても疲れず、ゲーム感覚で油圧ショベルを遠隔操縦できる、次世代遠隔操縦技術の開発を進めている。「働く人を中心とした建設現場のテレワークシステム」を提供することで「誰でも働ける現場」づくりに貢献する。

2)K-Lab.

 環境リサイクル分野においても革新的なソリューションを提供すべく、オペレータの技能に頼る現在の施工方法から、「誰でも働ける」操作方法で直感的に作業ができることを目指し、自動車解体の作業・操作を根底から変える・変わる・確信させることを目指して、開発・研究を進めている。

※1 MG = マシンガイダンス

※2 MC = マシンコントロール

※3 作業現場での挟まれ/轢かれ事故低減を実現する衝突軽減システム。機械周辺の障害物を検知し、オペレータへ障害物の位置表示や警報にて注意喚起を行うとともに、自動で機械の旋回、走行を減速・停止する。停止後も安全方向へのアタッチメント操作可能な、作業性と安全性を両立した機能。

※4 ICT を活用して、エンジンや油圧ポンプ関連の状態を常にモニタリングし、異常や故障の前兆を把握、顧客にメンテナンスを提案する予防保全機能。機械停止などの大きなトラブルを最小限に抑えることが可能。

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