ヤマシンフィルタ、4~6月期売上は13.7%増の34.9億円

 ヤマシンフィルタが8月6日に発表した2009年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上高は34億9,200万円(前年同期比13.7%増)となり、営業利益 は5億2,100万円(同1.7%増)、経常利益は5億2,400万円(同7.0%増)、親会社株主に帰 属する四半期純利益は4億2,100万円(同18.5%増)となった。

 ヤマシンフィルタ2018年度第2四半期データ

 4~6月期における主要市場である 油圧ショベルを中心とした建設機械市場は、日本では、公共投資、設備投資は増加したものの、需要は前年をわずかに下回った。北米では、旺盛な設備需要に支えられるなか、エネルギー関連やインフラ工事関 連を中心に、需要の増加が継続し、欧州でもドイツを中心に需要は増加した。中国では、前年度に引き続きインフラ投資の拡大に伴う建設機械の大幅な需要の増加が継続し、東南アジアでは、インドネシアを中心に需要は全体で増加した。

 このような環境の中、4~6月期は、総じて堅調な需要を背景に、強みである油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品を主軸に、新素材やIoT技術を活かしたフィルタ製品のラインナップの充実を図り、建設機械メーカーの需要拡大に努めるとともに、中国・アジア市場では、補給部品の純正率向上に建設機械メーカーと共同で取り組み、純正部品の採用率向上に努めた。更には、前期より継続的に取り組んでいる、利益創出体制の確立を企図した全社的プロジェクト「Project PAC 18」を遂行し、徹底した原価及び販売管理費の管理を行うことで、収益性の改善を実現した。

■2019年3月期業績は前回予想を据え置く

 2019年3月期の連結業績予想については、第1四半期の業績は好調に推移したものの、第2四半期以降は米中貿易摩擦の影響などを踏まえ、世界経済全体や為替動向が先行き不透明であることから、5月15日に公表値のとおり。売上高は、140億円(前期比6.3%増)、営業利益23億5,000万円(同23.0%減)、経常利益23億4,000万円(同28.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16億円(同28.0%減)。想定為替レートも米ドル110円、ユーロ135円を据え置いた。

■建機フィルタ専門から総合フィルタメーカー目指す

 ヤマシンフィルタは、経営戦略上の中期的な目標として「建設機械フィルタの専門メーカーから総合フィルタメーカーへの飛躍」 -Yamashin Paradigm Shift- を掲げ、1.事業ポートフォリオの拡大、2.収益性の改善、3.人材の育成 強化、4.ガバナンスの更なる充実、の4つの課題に取り組んでいる。

1. 事業ポートフォリオの拡大:既存事業である建機用油圧フィルタを中心とした事業領域におい て、周辺分野の深耕を実施するとともに、ヤマシンフィルタグループが確立した「合成高分子系ナノファイバー」の量産化技術を軸に事業ポートフォリオの拡大、M&Aによる新規事業分野への進出を加速させることで、建機用フィルタに依存しない次世代の成長の柱の構築に積極的に取り組んでいる。

2.収益性の改善:前期より引き続き利益創出体制の確立を企図した全社的プロジェクトである 「Project PAC 18」を立ち上げ、収益性の改善を図るとともに、グローバルサプライチェーンの再構築、一極集中の生産体制からマルチプルな生産体制へシフトすることで、生産効率を最適化させ、筋肉質な企業体 質の構築に向けた取り組みを実施している。

3.人材の育成強化:中期的、持続的な企業成長に資する人材ポートフォリオの見直しのなか、タレ ントマネジメント制度の設計並びに当該システムの構築に向けた取り組みを行っている。

4.ガバナンスの更なる充実:ガバナンス、コンプライアンス研修の拡充やフェアディスクロージャーを踏まえた情報管理の徹底等の取り組みを継続して行っている。

 ヤマシンフィルタの2019年3月期第1四半期決算短信

 第1四半期決算説明資料