三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は8月7日、インドネシアの国営電力会社であるPT. PLN(Persero)(PLN社)がジャワ島のタンジュンプリオク(Tanjung Priok)発電所内で“Jawa-2プロジェクト”として建設している天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電施設の2号設備について予定より早く工事を完了、同設備は7月18日に運転を開始したと発表した。総出力88万kWのうち、今年6月から稼働している1号設備と同じく出力約30万kWのガスタービンが単独(シンプルサイクル)で稼働したもの。1号設備に続いて納期前倒しでの引き渡しを実現した。
現地では8月1日、運転開始を記念して式典が開催され、PLN社からはJawa-2プロジェクトを含む西ジャワ地域を統括するハリヤント(Haryanto WS)取締役(Director)らが出席。MHPSからは東澤隆司(とうざわ・たかし)執行役員らが出席した。ハリヤント氏は「8月のアジア競技大会に先立ち、納期よりも前倒しの商業運転開始に貢献していただき感謝します。Jawa-2プロジェクトは同大会にとってもジャワ送電網にとっても重要なプロジェクトです。引き続きご協力をお願いします」と挨拶した。
Jawa-2プロジェクトは、GTCC発電施設をジャカルタの中心部から北東約10kmに位置する港湾都市タンジュンプリオクに建設するプロジェクト。MHPSは、三菱商事および現地の建設・エンジニアリング会社PT・Wasa Mitra Engineeringとフルターンキー契約で受注した。MHPSはM701F形ガスタービン2基のほか、排熱回収ボイラー2基、蒸気タービン1基、ならびに付帯設備一式を供給する。発電機は三菱電機製を採用した。2019年には、回収した排熱を利用して蒸気タービンでも発電するGTCC方式での運転を開始する予定。
MHPSは、大型ガスタービンで同国内トップシェアを誇っており、今回の運転開始で同国内における発電事業者向けのMHPS納入設備の総発電能力は12GWとなった。これまでおよそ50年にわたり同国の電力供給を支えてきた実績のもと、Jawa-2プロジェクトについても顧客満足の向上に全力を挙げて取り組んでいる。MHPSは、今後もより一層インドネシア電力市場におけるプレゼンスの向上を目指すとともに、高効率発電設備の普及を通じ、エネルギーの低炭素化を促進し、地球環境の保全に貢献していくとしている。