プライメタルズテクノロジーズ、パキスタンのカムラン鉄鋼から棒鋼圧延設備の近代化工事を受注

 プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は8月7日、パキスタンの鉄筋・棒鋼メーカーであるカムラン鉄鋼(Kamran Steel Re-Rolling Mills (Pvt) Ltd.:Kamran Steel)から、ラホールにある既設の鉄筋棒鋼圧延設備の近代化工事を受注したと発表した。ホットランは2019年の第3四半期を予定している。

 このプロジェクトは、3期にわたる拡張計画の第1期にあたり、鉄筋棒鋼の年産能力を現在の10万トンから15万トンへの増強と、歩留り向上、エネルギー消費低減と圧延効率改善を目標としている。納入される設備は、今後予定される第3期計画まで対応できるよう設計されている。

 1984年に設立されたカムラン鉄鋼はパキスタンの大手鉄鋼メーカーで、軟鋼のビレット、ばね鋼、異形棒鋼、異形鉄筋、ワイヤーロッド、さらにI形鋼、H形鋼、T形鋼などの形鋼も生産している。

 同社は毎時最大25トン、年産能力10万トンの完全自動式棒鋼圧延機を稼働させており、断面100ミリ角のビレットから直径9.5~40ミリメートルの鉄筋棒鋼を最終製品として生産している。近代化工事完工後は、本圧延設備により断面130ミリ角で最長3メートルのビレットから毎時最大30トンの鉄筋棒鋼の圧延が可能となる。

 圧延ラインは第5世代レッドリング方式(Red Ring)圧延スタンドをHVHVHVHV配置(V:垂直、H:水平)で8スタンド装備した粗圧延機、HVHVHV配置で6スタンド装備した中間圧延機で構成されており、コブル(噛込み不良による圧延材の詰まり)を防ぐ目的で既設仕上げ圧延機と直列に接続される。この連続粗圧延ラインにビレットを直送するために、加熱炉の搬出用ローラー装置の改造も行われ、付属設備として、熱間クロップ切断機、緊急用せん断機、ピンチロール、冷却床前の熱間分割用せん断機、冷間分割用せん断機が装備される。

 プライメタルズテクノロジーズはプラントのエンジニアリングを担当し、主要機器、プロセス機器、自動化設備、給油装置、油圧装置、モーター及び駆動装置、電気設備、ベーシックオートメーション(レベル1)、ユーザーインターフェース(HMI:ヒューマンマシンインターフェース)のハードウェアとソフトウェアの納入に加えて、カムラン鉄鋼の担当分のエンジニアリング、組立、試運転をサポートし、オペレータのトレーニングも担当する。

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