オークマ、台湾新工場が稼働、部品加工能力は5倍、機械生産能力は1.5倍の月産300台

 オークマは8月3日、中華民国(台湾)新北市鶯歌区に投資額約23億円を投じて建設していた大同大隈股份有限公司(Tatung-OkumaCo. Ltd. 以下、TOC)の新工場が稼働を開始したと発表した。TOC新工場の総床面積は、旧工場比1.8倍の14,300㎡に拡張、加工設備の増強と自動化の推進により部品加工能力は5倍に増強し、部品加工の内製化を拡大する。これに伴い、GENOSブランドの旋盤および立形マシニングセンタの生産能力は現行の月産200台から300台へ拡大する。

 新興国の経済発展と世界中で進む生産革新の取り組みの中で、工作機械需要はグローバルに拡大を続けている。オークマは「日本で作って世界で勝つ」考えのもと、日本の工場の再開発を進め、2013年5月にオークマ本社内(愛知県丹羽郡大口町)に自己完結一貫生産型のスマートファクトリーDS1(Dream Site1)を、2017年3月にはDS2(Dream Site2)を稼働させ、IoTを活用した高効率・高付加価値生産に取り組んできた。また、今年8月には可児(岐阜県可児市)第6工場(K6)の建設にも着手し、門形マシニングセンタや5軸制御マシニングセンタ、複合加工機等のプレミアム・プロダクトは日本のスマートファクトリーで高効率生産することにしている。

 一方、オークマが一段とグローバルに成長していくためには、アジア新興国を含めグローバルに顧客を拡げていく必要があり、このためのグローバル戦略マシンを生産するのがTOC。TOCでは工作機械の基本機能・性能を確保し、高品質で価格的にもメリットのあるGENOSブランドの旋盤および立形マシニングセンタを生産し、アジアをはじめとしたグローバル市場で販売拡大を進めていく。

 TOCの旧工場は老朽化が進み、また手狭であったことから生産能力の拡大と高効率化が課題だった。そこで、新たな土地にIoTを活用したスマートファクトリーを建設し、GENOSブランド製品の高効率生産、そして増産を図っていく。新工場には、隣接してショールームを開設し、5軸制御マシニングセンタや複合加工機等のプレミアム・プロダクトとTOCで生産するGENOS製品を展示し、台湾および、アジア市場における販売拡大を図っていく。

<TOC新工場の概要>

所在地:中華民国(台湾)新北市鶯歌区東湖路14-2号

総床面積・工場:14,300㎡(旧工場比1.8倍)

1階:部品加工エリア、組立エリア

2階:ユニット組立エリア、キッティングエリア、事務所、ショールーム:1,760㎡

機械設備:13台(従来工場は9台)

生産品目:旋盤、立形マシニングセンタ

生産能力:月産300台(従来工場の1.5倍)

ショールーム・展示機:8台(5軸制御立形マシニングセンタ等)

投資額:6億25百万NT$(日本円換算で約23.2億円)

■TOC新工場のねらい:

①組立生産能力を旧工場比1.5倍に引き上げ

 TOC新工場の総床面積は、旧工場比1.8倍の14,300㎡に拡張した。加工設備の増強と自動化の推進により部品加工能力は5倍に増強し、部品加工の内製化を拡大する。オークマ生産方式を導入し、TOC新工場で加工する機械部品を組立工程と同期を取りながら機械組立に必要な部品・ユニットを、組立着手に合わせて配膳し、組立効率の大幅向上を図る。

 一つの工場内で部品加工から組立まで行う自己完結一貫生産体制を構築し、生産効率を高めることで、生産能力拡大を推進していく。生産能力は1.5倍(月産200台→300台)へ拡大する。

②進化する工場

 TOC新工場には、オークマのスマートマニュファクチャリング技術をパッケージ化した商品である「Connect Plan」を導入した。工場内の加工設備を「Connect Plan」で接続し、機械の稼働状況と生産進捗を監視し、稼働停止の原因分析を行い、機械稼働率の向上を図る。また、組立作業の進捗状況も見える化し、改善活動に繋げることで日々進化する工場にしていく。

③台湾市場での販売強化

 台湾は、古くからものづくりが盛んであり、工作機械の有望市場。ショールームを有効活用し、販売、技術・サービス体制も強化して、台湾市場での販売拡大を進めていく。

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