オークマ、4~6月売上は32.4%増の487億円、工作機械需要が好調

   オークマが7月31日に発表した2019年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、受注額は568億9,200万円(前年同期比22.9%増)、売上高は487億600万円(同32.4%増)、営業利益は59億8,700万円(同82.5%増)、経常利益は65億2,000万円(同80.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は37億1,700万円(同52.5%増)となった。

 工作機械の需要は、北米市場は自動車や航空機関連を中心に積極的な設備投資が続いた。欧州市場は自動車や一般機械等で需要は好調を維持した。中国市場は、電気・精密分野からの需要が減少したが、自動車や一般機械等からの需要は底堅く推移した。その他のアジア新興国市場では、自動車を中心に需要は緩やかに上昇した。

 国内市場では、自動車や半導体製造装置、ロボット、減速機、建設機械、油圧機器等、幅広い産業で旺盛な需要が続いた。また、中小企業においては省人化、競争力強化を目的とした設備更新が進んだ。

 販売戦略では、世界各地の展示会に積極的に出展し、オークマブランドの浸透と拡販に努め、アジア・新興国市場での拠点強化と顧客開拓を進めた。今後の需要拡大が期待できるインド市場で、今年5月に「グルガオンテクニカルセンター」を開設し、オークマ製品を常時展示するとともに技術・サービス体制を強化し、市場開拓を図った。国内市場では、関西および中部で開催された「インターモールド2018」に出展した。また、新潟営業所で初のプライベートショーを開催し、受注拡大に繋げた。

 技術戦略では、世界的にニーズが高まる複合加工機や5軸制御マシニングセンタの開発強化と、自動化対応の製品開発を進めた。また、加工技術や生産性向上に繋がるソリューションの提供も強化した。

 製造戦略では、オークマスマートファクトリー:DS1(Dream Site 1)およびDS2(Dream Site 2)で自動化・無人化を推進し、IoTを活用した稼働監視と分析により工場全体の生産効率を高める取り組みを進めた。また、急激な需要増加により鋳物材料や調達部品の遅れが続いたが、全工場で運用を開始した新生産管理システムおよび新工程管理システムにより製造リードタイムの短縮を図り、長納期化の抑制に注力した。

■2019年3月期の連結業績予想

 世界的な生産高度化の潮流により、工作機械の需要は好調が続くと予想される。北米市場は、強い経済が継続し、また減税政策もあり、設備投資は好調が続くと予想される。欧州市場は、自動車や航空機関連を中心に需要は堅調に推移すると見込まれる。中国市場は、米中貿易摩擦による影響や政府の経済政策、金融政策により需要減退の可能性がある。一方、政府が進める「中国製造2025」の取り組みや、自動化・無人化ニーズが高まっていく中、高付加価値マシンの需要は今後も拡大すると予想される。

 国内市場では、自動車や半導体製造装置等の好調業種からの旺盛な需要が続き、設備投資は好調に推移すると見込まれる。また、中小企業においても老朽設備の更新や自動化・無人化対応の投資が進むと予想される。

 このような経営環境の下、オークマグループは知能化技術を搭載したスマートマシンやIoTを駆使した高度なソリューションの提供により、「総合ものづくりサービス企業」を目指していく。

 販売戦略では、国内および海外の展示会に積極的に出展し、オークマブランドの浸透と拡販を図っていく。今年、韓国と台湾に新たなテクニカルセンターを開設し、東アジアにおけるプレゼンスを高め、拡販に繋げていく。また、中国およびアジア諸国に設置しましたテクニカルセンターを積極的に活用し、技術提案の推進、アフターサービスの充実を図り、新規顧客開拓を進める。

 技術戦略では、知能化技術を搭載したスマートマシンの開発を強化していく。また、昨年から販売を開始したIoTソリューション製品である:「Connect Plan」の機能強化と、自社開発のNC装置:OSPを核としたスマートマニュファクチャリング技術を進化させ、「ものづくりサービス」の提供を進めていく。

 製造戦略では、スマートファクトリー:DS1(Dream Site 1)とDS2(Dream Site 2)で高効率生産を加速していく。そして、工場別に製品を分類し、部品加工から組立まで一つの工場内で行う一貫生産体制の整備を進めていく。今年度は、新たに可児工場内に立形・横形マシニングセンタの部品加工を行うスマートファクトリー:可児第6工場(K6)の建設に着手し、2019年5月の稼働開始を目指す。

 オークマの2019年3月期第1四半期決算短信