中外製薬、約45億円投じて浮間研究所に実験棟建設、低・中分子原薬の製法開発機能を強化

 中外製薬は7月26日、低・中分子原薬の製法開発機能強化のため、浮間研究所(東京都北区)に新たな合成実験棟を建設すると発表した。総投資額45億円で、6階建て延床面積4,925㎡の新棟を建設、2020年1月の稼働を予定している。

 近年、有機化学合成によりつくられる低分子医薬品の創薬研究において、高い薬理活性を有する化合物の割合が高まっている。中外製薬が低分子医薬品、バイオ医薬品に続く第3の柱と位置付ける中分子医薬品においても、こうした化合物が中心となることが見込まれている。

 新しく建設する合成実験棟では、低・中分子原薬の製法開発機能を強化すべく、薬理活性の高い化合物に対応した研究設備を拡充する。化合物の外部漏洩と研究員への曝露を防ぐため、高度な封じ込め技術を備えた実験設備・建物構造とすることで、環境面と研究員の安全確保を徹底する。

 また、研究効率を高める新たな実験設備や機器を導入し、研究者間のコミュニケーションを活性化するレイアウトを採用する。これにより、イノベーションと研究生産性向上を促進し、難易度の高まる新薬候補物質の製法確立までのさらなるスピードアップを図る。

■村田 博 中外製薬執行役員製薬本部長のコメント:

 中分子をはじめとする革新的な医薬品は、各社が激しい開発競争を繰り広げており、早期に工業化技術基盤を確立する事は極めて重要です。高薬理活性化合物への対応を強化した新しい合成実験棟は、新薬候補物質の早期開発から商業用生産に至る製法開発研究の重要な拠点となります。この施設が低・中分子領域における中外製薬の医薬品開発において、大きな役割を果たすことを期待します。

<浮間研究所の概要>

所在地:東京都北区浮間5-5-1

敷地面積:31,323㎡

延床面積:59,198㎡ *新合成実験棟の延床面積を含む

業務内容:医薬品原薬の製造プロセス研究、製品設計(製剤・包装)と製法研究、設備設計と生産技術研究、医薬品の構造・物性解析と品質試験法開発

<浮間研究所合成実験棟新設工事の概要>

着工時期:2018年10月

建築完了:2019年11月

総投資額:45億円

竣工:2020年1月

稼動時期:2020年1月

建設面積:985㎡(6階建て)

延床面積:4,925㎡

 ニュースリリース