中外製薬、シンガポールの研究子会社CPRの事業を拡張、5年間で約229億円を投資

 中外製薬は7月26日、シンガポールの研究子会社Chugai Pharmabody Research Pte. Ltd.(以下、CPR)における事業の拡張を決定したと発表した。今回の決定は、中外製薬グループの創薬力のさらなる向上を目的として、CPRの活動期間を5年間延長し、2022年から2026年までに総額282百万シンガポールドル(SGD、約229億円)の投資を実施する。(1SGDは約81.3円)

 CPRは、中外製薬の有する革新的な抗体創製技術を活用し、新規抗体医薬品の創製に特化した研究を行うことを目的とし、2012年に設立された。当初、2016年までの5年間の活動を予定していたが、その後活動期間を5年間延長し、2012年から2021年までの10年間で、476百万SGDの投資を予定していた。

 上席執行役員 研究、トランスレーショナルクリニカルリサーチ統括の岡部尚文氏は「中外製薬グループでは、独自の抗体改変技術などを活用した創薬アプローチにより、『アクテムラ®』や『ヘムライブラ®』をはじめとした画期的な新薬の開発を行ってきました」と述べるとともに、「今後もイノベーションの連続的な創出に向け、CPRおよび鎌倉、富士御殿場の3研究所の専門性を総合し、次世代抗体技術を活用して開発候補品の創製を加速していきたいと考えています」と語っている。

 CPRでは、様々な国籍や専門性をもつ研究者が、中外製薬グループが有する独自の抗体創製技術を活用し、革新的な新薬候補抗体の迅速かつ効率的な創製を目指している。また同時に、抗体改変プロジェクトの連続創出に向けて、新規の技術開発についても取り組んでいる。2012年以降、これまで244百万SGDの投資を行い、SKY59をはじめとする複数の開発候補抗体を創製し、当社抗体技術の価値最大化に貢献してきた。

 中外製薬は、日本のバイオ医薬品のリーディングカンパニーとして、今後も独自の創薬技術基盤をさらに強化し、アンメットメディカルニーズに応える医薬品の創製を通じ、世界の医療と人々の健康に貢献していく。

<CPRの概要と予定事業投資について>

会社名:Chugai Pharmabody Research Pte. Ltd.

所在地:3 Biopolis Drive, Synapse, Singapore 138623

資本金:150万SGD(中外製薬100%出資)

事業内容:新規抗体医薬品候補の創製業務の受託

Chairman:Sir David Lane

CEO/COO:取締役CEO 井川 智之/取締役COO 岡部 尚文

予定事業投資額:476百万SGD(2012年~2021年)、282百万SGD(2022年~2026年)2026年までに見込まれる雇用要員数:約125名

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