三菱重工環境・化学エンジニアリング、愛知県の海部地区環境事務組合から第2期基幹的設備改良工事を受注

・処理能力330トン/日の一般廃棄物焼却施設を長寿命化

 三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC、本社:横浜市西区)は、愛知県西南部の7市町村で構成される海部地区環境事務組合から、一般廃棄物焼却施設「八穂(はちほ)クリーンセンター」の第2期基幹的設備改良工事を受注したと発表した。処理能力330トン/日のストーカ式焼却炉(注1)設備および処理能力101トン/日(5時間)のリサイクルプラザ(破砕設備)の一部を改修し、2031年度までの長寿命化および省エネルギー化をはかるもので、2015年の第1期工事に次ぐ受注となる。完成は2022年3月(4ヵ年継続事業)の予定。

 同組合は、津島市、愛西市、弥富市、あま市、大治町、蟹江町、および飛島村のごみ・し尿処理事業を手掛けています。八穂クリーンセンターは、三菱重工業の設計施工により2002年5月に完成。処理能力110トン/日のストーカ炉3基と関連設備からなり、5,000kWの発電能力を備えている。リサイクルプラザは破砕能力101トン/日(5時間稼働)の破砕機および関連設備で構成されている。

 今回受注した基幹的設備改良工事では、経年的に劣化した焼却施設の受け入れ供給設備、焼却設備、燃焼ガス冷却設備、排ガス処理設備、余熱利用設備、通風設備、灰出し設備、給排水設備、電気設備、計装設備、雑設備、建築設備、リサイクル設備の一部などを対象に主要機器の更新等を行う。

 また、MHIECが特許を持ち安定燃焼に寄与する「新燃焼制御システム(低空気比燃焼システム)」を採用し通風設備の消費電力の低減をはかるほか、各種電動器に高効率モーターやインバータを採用することによる省エネ化、さらには脱硝設備の低温触媒採用による余剰蒸気を活用した発電量アップおよび空調設備の省エネ型採用により、CO2排出量を年間約5.44%以上削減することで地球温暖化抑制にも貢献する。

 近年、一般廃棄物焼却施設を長寿命化するとともに温暖化対策も施す改良工事は増加傾向にある。加えて、国が2010年度に関連する交付金支援制度(注2)を創設したことで、さらに活発化している。

 MHIECは、三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富な廃棄物処理施設の建設・運営ノウハウを2008年に継承。多数の実績に基づく、建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとしている。

 MHIECは、今回の受注とこれまでの実績をベースに、既存廃棄物処理施設の省エネ化や安定稼働の維持・向上、さらに維持管理費などを含めたL.C.C.(ライフサイクルコスト)低減に向けた提案を積極的に推進し、受注拡大をはかっていく。

(注1) 耐熱金属の角材を並べた床の上で、廃棄物などの焼却対象物を突き上げることで移動させながら燃焼させる焼却炉で、一般廃棄物焼却炉の主流。

(注2) 環境省が所管する廃棄物処理施設の有効利用と廃棄物分野の温暖化に向けた設備の改良事業に基づき、一般廃棄物処理施設の長寿命化と温暖化対策を推進する市町村に対して、二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金(先進的設備導入推進事業)もしくは循環型社会形成推進交付金として事業費の1/2もしくは1/3が交付される。

 ニュースリリース