鹿島、古河ロックドリルと共同でドリルジャンボを用いたロックボルト工の機械化施工を実現

 鹿島建設は7月3日、古河ロックドリル(東京都中央区)と共同で、山岳トンネル工事におけるドリルジャンボを用いたロックボルト工の機械化施工技術を開発、北海道で施工中の大狩部トンネル工事でその効果を実証したと発表した。

 ロックボルト工はいまだ人力による作業が主体だが、今回開発した技術で機械化することにより格段にスピードアップし、大幅な生産性向上を実現する。また作業員にとっても肉体的負担からの解放や安全性の向上など、良好な施工環境が実現するだけでなく、機械化に伴う均質な施工により、品質向上効果も期待できる。

 山岳トンネル工事におけるロックボルト工では、穿孔はドリルジャンボによる機械主体の施工だが、その後のモルタル注入やロックボルトの挿入作業は、未だ人力主体で行っている。大狩部トンネルの場合、代表断面では1サイクル(奥行き1m)あたり26本のロックボルト(長さ6m)を施工しているが、掘削する時間のうちロックボルト工に要する時間は、全体の1/3を超える37%を占めていた。また、6mのロックボルトは1本当たりの重量が約20kgあり、人力で取り扱うには負担が大きく、安全にも十分注意して作業を行う必要があった。そこで、ロックボルト工のうちモルタル注入とロックボルト挿入作業を、ドリルジャンボを用いて機械化することで、生産性と安全性の両面を向上させるべく、開発に着手した。

 大狩部トンネル工事では同システムを継続的に適用し、作業環境を大きく改善している。鹿島は同システムを山岳トンネル工事に適用するとともに、削孔誘導システムMOLEs(モールス)などとの連携や、更なる施工の効率化を目指し、技術開発を進めていく。

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