JA全農、生産現場の声を反映した共同購入の大型トラクター、ヤンマー製に決定

   JA全農(全国農業協同組合連合会)は6月28日、生産現場の声を反映した共同購入の大型トラクターにYT357JZUQH(製造元:ヤンマーアグリ株式会社)に決定したと発表した。2018年10月より3年間、1,000台を目標に共同購入する。

 JA全農では、「農林水産業・地域の活力創造プラン」への対応として、農業機械事業では、生産現場の声を反映した大型トラクター(60馬力クラス)の共同購入に取り組んでいる。具体的には、従来の50~70馬力クラスの大型トラクター450型式について、農業者3団体(※1)と全農による資材事業研究会の場で徹底した議論、生産者モニターや1万名を超える生産者アンケートにもとづき、生産者が必要とする機能の絞り込みを行った。昨年9月に国内農機メーカー4社へ、指定した仕様書にもとづく60馬力クラスのトラクターの開発を要求し、今年6月1日に各社から開発機の回答を受領した。

 その後、生産者3団体の代表者とともに実機や社内試験データ等で開発要求事項を満たしていることを確認した上で入札を実施し、共同購入トラクターをYT357JZUQH(製造元:ヤンマーアグリ株式会社)に決定した。

 このトラクターは、60馬力クラスではパワーにゆとりのあるエンジン(総排気量3.3ℓ)を搭載し、生産者モニターで要望の強かった、おおむね1日無給油(※2)で作業ができる燃料タンクを備えている。

 この取り組みの成果は、(1)1,000台の購入目標をかかげ、生産者が必要とする機能に絞り込むことでメーカーの製造コスト削減がはかられたこと(2)さらに、JAグループが全国の生産者に結集を呼びかけ、積上げた台数を背景に全農がスケールメリットを活かし入札を行ったことで、生産者の購入価格は、標準的な4社同クラスと比較し、おおむね2~3割の価格の引き下げ(※3)が実現された。

※1:公益社団法人日本農業法人協会・全国農協青年組織協議会・全国農業青年クラブ連絡協議会

※2:製造メーカー実測データ(エンジン回転2,500rpm,PTO1速,ロータリー幅2.2m,耕深15cm)による。

※3:価格引下げ割合はシンプル農機の普及状況や商業者との競合度合い等により地区毎に異なる。

<共同購入の概要>

機種:トラクター(60馬力)

型式:YT357JZUQH(製造元:ヤンマーアグリ株式会社)

主な仕様:水冷4気筒直噴ディーゼルエンジン(総排気量3.3L)、燃料タンク容量56L、自動水平制御、自動耕深制御、倍速ターン、オートブレーキ、エアコン付キャビン、

デラックスシート、大型サイドミラー、ワークランプ、チルトハンドル

メーカー希望小売価格:5,340,000円(税抜)

 ※上記価格は単体価格(ハイラグ仕様)、オプション設定品は除く

供給開始:2018(平成30)年10月

共同購入目標台数:1,000台(平成30)~32年度・3か年)

 ニュースリリース