日立、工作機械の内蔵モーターをセンサーとして活用した消耗品の劣化検知技術を開発

 ㈱日立製作所は6月26日、工作機械の内蔵モーターをセンサーとして活用した、消耗品の劣化検知技術を開発したと発表した。モーターの駆動電流に基づいて、モーターの回転数やトルク電流などを把握し、工作機械で利用される消耗品の劣化を検知することが可能となる。モーターに既設の電流センサーを用いる場合、ソフトウェアの追加で消耗品の劣化を推定することができるため、センサーの導入コストを抑えつつ、工作機械の保守コストやダウンタイムコストの削減に貢献する。

 IoTの進展に伴い、さまざまな機器から取得したデータを活用して、工場の生産性向上や業務効率を改善する取り組みへの関心が高まっている。工作機械に対しては、画像センサーや振動センサーなどを機器に取り付け、切削加工に用いるエンドミルなどの消耗品の劣化をモニタリングする方法があるが、導入コストや保守コストが増えるという課題があった。

 これまで日立は、モーターをセンサーとして、回転子の位置を推定する位置センサーレス制御技術を開発し、家電、産業機器、鉄道などモーター組み込み機器の小型・低コスト・高信頼化に貢献してきた。

 今回、このセンサーレス制御技術を発展させ、モーター制御技術と多変量解析などの分析技術を取り入れることで、工作機械の保守コストを削減可能にする消耗品の劣化検知技術を開発した。今後、日立は、産業機器や自動車、鉄道などの社会インフラ分野で使用されている、さまざまなモーター組み込み機器に対して同技術の展開を図ることで、各分野での生産性向上に貢献していく。

 ニュースリリース