日東電工、シンガポールで海水と貯水池の2種類を水源とする水処理プラント受注

 日東電工は6月21日、シンガポール初となる海水と貯水池の2種類を水源とする水処理プラント「Keppel Marina East Desalination Plant(通称KMEDP)」(最大生産水量:137,000㎥/日)向けに逆浸透膜(RO膜)を受注したと発表した。2020年の設備稼働開始予定にあわせ、2018年度に出荷を開始する計画。

 シンガポールの水資源は自国内での集水、隣国マレーシアからの輸入、排水再利用(NEWater(※))、海水淡水化の4つの水源からなる。同国は国土が狭く、雨水を貯めにくいため、排水再利用、海水淡水化の割合を増加させることで自国内での水資源確保の強化を進めている。

 KMEDPは、海水と貯水池の2種類を水源とする同国初の水処理プラント。設備は、緑化された地下に建設され、街中心部からも近いことから、水処理プラントの様子を見学できる「魅せる水処理プラント」としても注目されている。

 日東電工は、2000年より排水再利用の「NEWaterプロジェクト」に参画し、水処理膜技術の提供を通じ、その礎をシンガポール公益事業庁と共に作ってきた。そのなかでプラント全体の電力量削減の課題があり、日東電工はこの度RO膜エレメントあたりの膜面積を増加させることで省エネ性と高透水性を両立できる新製品(ESPA2-LD MAX)を開発し、今回の受注の決め手の1つとなった。今後、更なるRO膜の拡充によりシェアを増加させていくとしている。

Keppel Marina East Desalination Plantについて

 日東電工は、Innovation for Customersをブランドスローガンに掲げ、Green(環境関連)・Clean(新エネルギー)、Fine(ライフサイエンス)の分野で事業ポートフォリオを拡大し、社会に価値提供していくことを目指している。水資源問題解決は、Greenに相当している。今後も膜技術を通じてシンガポールの水自給率増加に貢献していく事で、同国の水資源問題解決に貢献する事業活動を進めていく。

※NEWater: 先端の膜技術及びUV殺菌技術による高度な浄水技術で飲料水基準を満たす水質にリサイクルされた水。

 ニュースリリース