古河機械金属グループの中核事業会社である古河産機システムズ(本社:東京都千代田区)は6月21日、大型土のう袋詰機「クイックホッパー」が国土交通省の九州地方整備局に正式採用されたと発表した。同社では、「地震や豪雨等の災害復旧時に急速かつ安全に大型土のうを作ることで、社会課題に貢献したい」としている。
近年、国内各地で地震災害や記録的な豪雨災害が多発している。災害復旧には迅速な対応が求められており、河川の洪水等の災害対策に必要とされる“大型土のう”を速やかに、かつ大量に製作する機器に対しての潜在的なニーズは年々大きくなっている。
2015年9月、台風18号の通過による関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し大規模洪水が発生し、“大型土のう”の必要性が求められたことから、同社では、災害時の緊急対策の課題に対応するため、「クイックホッパー」を上市、国土交通省・地方整備局で実演説明会を重ねてきた。2017年7月、九州北部豪雨災害の復旧工事に使用され早期復旧に貢献。2018年5月には、九州地方整備局に正式採用されたもの。
「クイックホッパー」は、短時間で“大型土のう”を大量に作ることができるとして、被害拡大の抑制、災害復旧の迅速化に期待されている。特徴は、重さ1トンの“大型土のう”を1日8時間稼働ベースで約200袋作ることができ、従来技術と比較して約3倍のスピード(1袋あたり約2分半)で大型土のう製作が可能。ホッパーの目詰まりを防ぐ機能的かつ省スペースなデザインに加え、連続して土のう袋に詰められる回転体機構により、短時間で効率的な作業を実現する。また、土砂投入時に作業員が重機周辺に立ち入る必要がないことから、安全に作業することができるーーなど。