三菱商事は6月21日、英国100%子会社のDiamond Transmission Corporation Limited(ダイアモンド・トランスミッション・コーポレーション社、以下DTC)を通じ、英国における海底送電事業の優先交渉権を獲得したと発表した。
同事業は、英国東部沖合約27kmの洋上に位置するレースバンク洋上風力発電所(発電容量57.3万キロワット)とナショナル・グリッド社が保有するワルポール変電所を結ぶ海底・陸上送電線、及びそれに付随する洋上・陸上変電設備の運営するもの。資産規模は、英国において過去最大級の約751億円(500.9百万ポンド)となる。
英国当局や洋上風力発電所の所有者他との調整・交渉を経て、2018年度中に同資産の運営事業権を取得し、事業パートナーと共に20年間に亘り送電を担う予定。
英国には合計で18件の海底送電事業があるが、事業権の取得により、DTCが参画する事業は6件目になる。ドイツで保有する4件の事業と合わせると、欧州で合計10件、総送電距離約960km、総送電容量約500万キロワットの海底送電事業を運営することになる。
DTCは、三菱商事から派遣する人員のみならず、資産の保守管理業務等を担う専門チームを擁している。2011年に英国で海底送電事業に参画して以降、欧州における新たな海底送電事業権の獲得や既存案件の運営を通じ、事業の拡大に取り組んでいる。
欧州は温室効果ガスの排出量を2050年までに1990年と比べ80%削減する目標を掲げており、2030年までに約5,000万キロワットの洋上風力発電が導入される計画。自然条件に左右される再生可能エネルギーの増加に伴い、送電系統の安定した操業は益々重要になると考えられる。
三菱商事は温室効果ガス排出抑制に繋がる事業を通じ、経済面だけでなく、環境面や社会面への貢献を実現していく。
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