中国の柳工、ロボット事業参入で新会社、川崎重工と共同でロボット研究センターも設立

■将来的には、ロボットやコア部品の研究開発・製造分野に参入

 中国の柳工集団(柳州市)は6月5日、ロボット(机器人)事業に参入するため、子会社の柳工投資が新会社「広西智拓科技有限公司」を設立するとともに、油圧ショベルを主とする建設機械用油圧機器で取引関係にある川崎重工業と共同で「ロボット研究センター」(机器人技术研究中心)を設立する契約を結んだ。

 現在、広西チワン族自治区は機械産業を「二次創業」(第二の創業)として徹底的に育成する方針があり、また柳州市も1兆元の強力な工業都市として建設するためにあらゆる努力をしている。その中で、柳工は、中国建設機械業界のリーダーとして、新たにロボット業界を積極的に発展させ、柳州のスマートな製造業に強力な推進力を加える。

 広西智拓科技有限公司は今後、溶接、塗装、組立、自動物流ハンドリングロボット統合システム製品、自動生産ラインライン製品、インテリジェントな工場の包括的なソリューションをユーザーに提供するため、「ロボット研究センター」に技術サポートを依存する。将来的には、ロボットやコア部品の研究開発・製造分野に参入し、国内ロボット産業のリーダーとなることを目指す。

 柳工は近年、常に産業変革とアップグレードと新興産業の成長を加速している。土木建設機械・建築機械の2つの中核産業を強化しているが、農業機械やロボットの2つの戦略産業と新興産業を積極的に開発し、グローバル競争力のある世界トップクラスの企業を目指す。

 柳州党委員長、曾光安董事長は、次のように述べている。「世界的なロボット企業との協力を通じて、ロボット事業が長期的な発展を遂げることができ、中国の製造業の変革と発展、そして強力な国家の創造に自らの力を発揮することができると確信しています。」

 次のステップでは、自動車や機械などの産業に拠点を置き、ロボットの開発と導入をスピードアップし、溶接、塗装、ハンドリング、組立、積み下ろし用の特殊ロボットの開発に注力し、南西、南中央、ASEAN諸国向けロボットの生産と応用を確立する。

■広西柳工集団について

 広西柳工集団有限公司は国有資産運用法によって設立された全国有企業であり、1958年に設立された中核会社、広西柳工(Guangxi Liugong Machinery Co.、Ltd.)は1993年に再編され上場された。柳工集団は現在、資産総額約290億元で13の完全所有子会社および合弁子会社を所有している。集団の本社および従属支配子会社には現在、1万3,000人の従業員がいる。また、中核の上場会社である広西柳工の2017年売上高は113億元、2020年には150億元を目指している。

■川崎重工業にいついて

 川崎重工業は、JFEスチール(旧川崎製鉄)と川崎造船との歴史的な関係を持ち、明治維新時代から始まった重機械を主力とする重工業会社。主に航空宇宙、鉄道車両、建設用重機、電気自転車、船舶および機械設備を製造している。「Kawasaki」は中国語の音訳で、ローマ字は「KAWASAKI」で、創業者・川崎正蔵の名前に由来する。

*中国のロボット産業については、前の記事を参照願います。

 追加参考:ニュースリリース