ダイキン工業は6月5日、2021年3月期を最終年度とする3年間の戦略経営計画を発表し、設備投資や研究開発投資に合計約5,800億円の投資を行うと発表した。北米やアジアなどで主力である空調事業を強化するほか、あらゆるモノがネットにつながるIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)に対応した商品開発に投資し、事業領域の拡大を目指す。
2021年3月期(2020年度)までに、全ての製品をネット接続可能にし、データを解析することで建物全体の省エネや保守メンテナンスなど新たなサービスを提供する。最終年度の2021年3月期の業績目標は、売上高が2兆9,000億円、営業利益は3,480億円に設定した。従来の米国・アジアを中心とした既存事業の強化に加えて、IoT・AI技術の進歩普及をチャンスと捉えた空調ソリューション事業の拡大や、環境技術の強化など、時代の変化に対応した積極的な投資や具体的な施策を追加し、より大きく事業を拡大させる計画。
今回の中計は2016年に発表した21年3月期までの5カ年計画の後半3年間の戦略。設備投資に3,600億円、研究開発に2,200億円を投じる。年間の平均投資額は前半2年間に比べそれぞれ2割以上増える。
後半3年の方向性は、各地域の空調事業、化学、フィルタなど既存事業の一層の強化に加え、事業環境変化に素早く対応するため積極的な投資を行う。具体的には、IoT・AI時代に対応し、エネルギー・サービス・ソリューション、空気・空間エンジニアリングなど空調ソリューション事業拡大を本格化する。さらに、低GWP(地球温暖化係数)化に向けてR32採用機器の拡大、次世代冷媒の開発など環境をリードする取り組みを加速する。