東邦化学工業、約30億円投じて中国子会社の生産設備を増設

 東邦化学工業(本社:東京都中央区)は5月29日、中国の子会社である東邦化学(上海)有限公司に約30億円を投じて生産設備を増設すると発表した。2015年10月の計画発表以来、進出先の工業区の協力のもと、現地関係当局への申請手続きと詳細設計等の検討を進めていたもので、実現する見通しになったことから計画概要を発表した。

 東邦化学(上海)有限公司は、2014 年の営業生産開始以来、日本国内から中国への輸出製品の現地生産化への切替え推進と中国市場の新規開拓活動に注力し、トイレタリー関連、土木建築関連、繊維関連 等の界面活性剤や電子情報材料関連のアクリレート製品の製造、販売と親会社向け中間体等の製造、販売をしてきた。

 この間、売上高は年々増加し、それに対応して工場稼働率も徐々に上昇してきたものの、利益面では、現地生産化への切替品のユーザー認証の遅れ、その後の中国経済の減速と原料高騰等の要因もあり、黒字化ができず、2016・17 年と2年連続で固定資産の減損を実施した。

 このような状況だが、中国での生産販売事業の継続は、東邦化学工業の中長期の経営戦略上不可欠の位置づけで、2018年度は売上の更なる増加も見込まれ、原料環境の不透明要因はあるものの黒字化を達成できる見込み。

 現在の東邦化学(上海)有限公司の販売計画によると売上高は、引き続き、界面活性剤やアクリレート製品等を中心に今後も着実な増加が見込まれ、このまま推移すると2019 年末には、既存設備がフル稼働の見通しで、生産能力が不足する事が予想される。これに対応すべく、今回新たな生産棟及び生産設備を増設するもの。

 また現在、生産品目数の増加と販売数量の増加に伴い、製品と原材料の保管スペースが不足し、外部倉庫を利用している。今後の販売増加により、更なる保管スペースの不足が予想されており、構内保管が可能となるよう、工場敷地内に倉庫を新設することにした。

<子会社の概要>

名称:東邦化学(上海)有限公司/代表者:董事長 江藤 俊幸

所在地:上海市金山区金山衛鎮衛六路389 号

主な事業内容:界面活性剤、化成品、樹脂製品等の製造・販売

<生産設備等増設の概要>

主要新設建屋:生産棟1 棟、原材料・製品倉庫 計4棟 等

主要導入設備:反応設備3 基及び付帯設備

生産設備能力:8,000t/年

着工時期:2018 年内/竣工時期:2019 年末

営業生産開始時期:2020 年年央/増設費用:約30 億円

 ニュースリリース