北越工業、2017年度売上は4.7%増の350億円、18年度見通しは5.5%増の370億円

 北越工業が5月9日に発表した2018年3月期連結業績によると、売上高は前年度比4.7%増の350億7,500万円、営業利益は同0.7%減の45億6,100万円、経常利益は同3.3%増の46億9,700万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同6.7%増の32億3,300万円となった。また、同社は5月28日、通期決算説明会資料を公開した。

 北越工業2017年度データ

 2017年度における国内経済は、堅調な外需による企業収益の改善を背景に、設備投資の増加や雇用・所得環境の改善がみられた。世界経済は、米国は個人消費や設備投資の増加を中心に着実な景気回復がみられた。中国は輸出が増加するなど安定成長が続き、アジア新興国も緩やかな改善傾向にあった。北越工業は、国内は遅れていたオリンピック関連工事の本格的着工開始や首都圏の旺盛な建設需要に加え、生産設備投資の増加により底堅く推移した。海外は建設用のコンプレッサ・発電機で世界最大マーケットである北米及び需要増加の見込めるアジア市場を深耕するため、現地法人による販路拡大に注力。生産面では増産対応と生産効率の向上、原価低減に取り組んだ。

<建設機械事業>(主にエンジンコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などの事業で構成)

 2017年度初めは低調にスタートした国内販売だったが、期を追うごとに建設需要は高まり、エンジンコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車ともに出荷は回復基調で続いた。海外は米国現地法人の本格稼働に合わせて販売が伸び、その他地域も底堅く推移した。セグメント利益は、国内販売が後半に盛り返すものの前年度まで届かず、利益率の厳しい海外向けの売上が増加したこと及び原材料コストの高騰により前年同期を下回った。

<産業機械事業>(主にモータコンプレッサ、部品、サービスなどの事業で構成)

 堅調な設備投資を背景にモータコンプレッサの販売が順調に推移したほか、IoTを活用した機械の保守・管理を提案するなどソリューションビジネス強化策が功を奏し、前年同期比で増収増益となった。

■2019年3月期の見通し

 国内市場は東京オリンピックに向けた工事の本格稼働や、災害復興や補正予算効果により地方の公共投資を押し上げ、安定して推移するものと想定。海外市場は米国経済の緩やかな成長傾向は維持され、東南アジアでも多数のインフラ開発プロジェクトの施行が予定されており、総じて需要は堅調に推移するものと見ている。

 2019年3月期の連結業績は、売上高370億円(前期比5.5%増)、営業利益47億8,000万円(同4.8%増)、経常利益48億円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益32億5,000万円(同0.5%増)を予想している。

 なお、為替レートは、1米ドル=105円、1ユーロ=130円を前提としている。

 北越工業の2018年3月期決算短信

 決算説明会資料