2015年における世界の油圧機器・装置の販売高は282億ユーロ(約3兆7,000億円)で、これは約2,200億元に相当する。中国市場は世界最大の油圧機器・装置市場であり、2015年には世界市場の約25%である約510億元(約8,670億円)の市場規模を誇っている。(全1,544字) 中国はすでに世界第1位または第2位の油圧機器・装置市場であるが、中国企業の存在空間、つまり市場規模はどれぐらいで、どこに向かうのか。(2018年5月17日:慧聡工程机械網より抄訳/1ユーロ:130円、1元:約17円計算)
■製品スペース:ローエンドからハイエンド製品へ
現在、中国の油圧機器・装置企業は依然としてローエンド製品に注力しており、ポンプやバルブなどの主要コンポーネントはまだ外国企業に集中している。しかし、他の業界と同様に、中国企業は必然的にハイテクとハイデマンドのコアコンポーネントに進出することになる。
例えば、恒立液圧(Hengli)は主に油圧シリンダーを製造販売しているが、2016年の売上高は13億6,000万元で、バルブおよびバルブ事業はわずか8,330万元で、6.1%を占めている。したがって、中国企業はまだ製品拡張のための巨大なスペース(発展余地)を持っている。
■市場集中スペース:参入1,000社が業界低迷期に集約される見通し
これは、中国が製品の初期段階で必然的な現象に直面していると言わざるを得ない。中国は現在世界で第1または第2の油圧機器・装置市場であるが、市場は極端に細分化されている。CHPSA(中国油空圧シール工業協会)の統計によると、現在、中国には1,000社以上の油圧機器・装置企業があり、そのうち中規模以上が300社、主要企業は100社以上、業界の上位4社の市場シェアは約10%に過ぎず、業界の集中度は低く、大多数の企業の生産能力は小さい。
対応する国際油圧機器・装置産業は、明らかに市場集中特性を有している。上位6〜7社の大企業は、国際油圧機器・装置市場における市場シェアの80%から85%を占めている(「油圧、空気圧およびシール」PTC特集2010)。
現在、世界有数の油圧機器・装置メーカーは、ドイツのBosch Rexroth、デンマーク・米国のSauer Danfoss、日本の川崎重工業、ドイツのLinde Hydraulics、米国のParker Hannifin、Eaton、日本の油研工業、日本のKYB、ドイツのHAWE-Hydraulik、イタリアのAtos、国際的な油圧市場を独占している。
潍柴(Wei Chai)がLinde Hydraulics(林徳液圧)を買収し、恒立液圧(Hengli)がHaweを買収したことは注目に値する。現在の中国油圧機器・装置産業はまだ上昇期にあるため、市場集中は達成されていないが、建設機械業界と同様に、業界が低迷すると市場の集中が急速に高まる。これは中国の家電業界に似ている。
■国際化:合併・買収通して発展する可能性
これは中国企業の発展の後に避けられない道である。実際、油圧機器・装置産業は世界規模で2,200億元にもかかわらず、技術的な障壁はより深いものの、エネルギー輸送や建設機械産業に比べるとまだ比較的小さい。したがって、油圧機器・装置産業では、中国企業は国際合併・買収を通じて飛躍的に発展する可能性が高い。前述のHengliとWeichaiは良い例である。
現在の油圧機器・装置のトップメーカーは、その海外売上高が50%を占めている。2016年におけるBosch Rexrothの世界売上は約60億ドルで、必然的に同規模の油圧機器・装置メーカーの巨人に見える。しかし、産業界の市場集中は避けられない。現在の良好な市場環境では、より高い評価での販売は中小弱小企業にとってはより良い選択肢かもしれない。
*お断り:原文を分かりやすくするため、多少編集しています。