日立建機、トロリー受電式のリジッドダンプトラック「EH5000AC-3」を開発・発売

 日立建機は5月17日、トロリー受電式のリジッドダンプトラックEH5000AC-3を開発し、海外の大規模鉱山向けに6月1日から発売すると発表した。

 ニュースリリース

 2013 年 2 月に発売した AC 駆動方式のリジッドダンプトラック EH5000AC-3(公称積載質量 296t、車両総質量 500t)に、トロリー受電システムを搭載した製品。今回のトロリー受電式のリジッドダンプトラックEH5000AC-3の発売によって、EH3500AC-3およびEH4000AC-3と合わせ、AC 駆動方式のリジッドダンプトラックシリーズ 3 機種すべてでトロリー受電式の製品ラインアップを完成させた。世界で高いシェアを誇る鉱山用油圧ショベルとともに、顧客に提供することで、大規模鉱山の多様なニーズに対応し、顧客の課題である「ライフサイクルコスト低減」や「生産性向上」に貢献していく。

 AC 駆動方式のリジッドダンプトラックは、エンジンで発電機を回し、そこで発生した電気を、AC コントロールキャビネット内のインバータなどの制御機器で制御した後、後輪の左右にあるドライブモータを駆動し走行する。

 トロリー受電式のリジッドダンプトラックは、AC 駆動方式のリジッドダンプトラックに搭載されているドライブシステムを基に開発された製品。発電所を備える鉱山などで、坂道へ架線をあらかじめ設置し、登坂時に車体上部に搭載されたパンタグラフにより、架線に流れる電力を取り込むことで、効率的な走行を可能にしている。トロリー受電時は、取り込んだ電力でドライブモータを駆動させるため、エンジンで発電機を高回転で回す必要がなくなり、エンジンを低回転に保つことで、燃料消費量の低減を可能にするとともに、エンジンの負荷も低減できることから、メンテナンス費用の低減に貢献できる。

 また、車体に搭載されたトロリーボックスで、トロリーからの受電で駆動するトロリーモードと、エンジン発電で駆動するディーゼルモードを円滑に切り替えるよう制御することで、切り替え時の荷こぼれ防止とタイヤの摩耗低減が図れる。なお、架線設備が設置されていない放土場、積み込み作業場および下り坂などでは、標準のリジッドダンプトラック EH5000AC-3 と同様にエンジンで発電した電力で走行する。

 さらに、トロリー受電システムの取り付けに必要な部品・コンポーネントは、標準機への改造搭載が可能で、鉱山の段階的な投資に合わせ、後にトロリー受電システムを導入したいというニーズにも対応している。これにより、リジッドダンプトラックの導入時は、標準の AC 駆動方式のリジッドダンプトラックとして稼働させ、発電施設や架線設備の完成に合わせて、トロリー受電式のリジッドダンプトラックに変更することを可能にしている。

 日立建機のリジッドダンプトラックに搭載される AC ドライブシステムおよびトロリー受電システムは、日立建機の持つリジッドダンプトラックの技術と、鉄道車両で培った電気駆動装置や発電設備を提供する長い経験と実績を有する日立グループの技術を結集したシステム。日立建機グループは、今後もマイニング機械において、日立グループの技術を生かして性能と信頼性を高め、さらなる顧客満足の向上をめざしていくとしている。

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