ヤマシンフィルタ、17年度売上は31.6%増の131.6億円、18年度見通しは6.3%増の140億円

 ヤマシンフィルタが5月15日に発表した2018年3月期(2017年度)連結業績によると、売上高は131億6,800万円(前年同期比31.6%増)となり、営業利益は19億1,000万円(同99.5%増)、経常利益は18億2,400万円(同95.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億4,900万円(95.2%増)となった。

 ヤマシンフィルタ2017年度データ

 主要市場である油圧ショベルを中心とした建設機械市場は、日本は堅調な企業収益を背景に、設備投資は増加基調に推移するなど、景気回復が持続し、需要は前年を上回った。北米は堅調な住宅着工件数の推移を受け、需要の増加が継続し、欧州も需要は堅調に推移した。中国は、インフラ投資の拡大に伴う建設機械の大幅な需要の増加が継続し、東南アジアでは、インドネシアを中心に需要は全体で増加した。

 ヤマシンフィルタは、強みである油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品を主軸に、フィルタ製品のラインナップの充実を図り、建設機械メーカの需要拡大に努めた。また、中国・アジア市場では、補給部品の純正率向上に建設機械メーカと共同で取り組み、純正部品の採用率向上に努めた。更には、前期より引き続き、利益創出体制の確立を企図した全社的プロジェクトである「Project PAC 17」を立ち上げ、同プロジェクトを着実に遂行することで収益性の改善を実現し、企業価値の向上を図った。

 ヤマシンフィルは、中期的な目標として「建設機械フィルタの専門メーカから総合フィルタメーカへの飛躍」を掲げ、中期的な視野に立った成長投資のため、①新素材の開発・製品化、及び拠点集約による研究開発体制の効率向上のための研究開発拠点の新設に係る土地・建物購入投資、②既存事業及び新素材開発・製品化に係る、生産設備、研究開発設備等への設備投資、並びに③将来のM&Aを含む資本・業務提携等のための増資を決議し、92億2,200万円の資金調達を実施した。

■2019年3月期の見通し

 2019年3月期の建設機械市場の需要見通しについては、前期に引き続き堅調に推移することが見込まれ、新車需要は若干上回るものと想定。堅調に推移する新車需要を確実に獲得するとともに、既に稼働している建設機械向けのフィルタ製品の交換需要を的確に掴み、アフターマーケット事業を推進する。また、前期に引き続きプロジェクト活動「Project PAC 18」を立ち上げ、同プロジェクトにヤマシンフィルタグループ一丸となって取り組み、利益の確保に最大限努める。

 2019年3月期の連結業績については、売上高、140億円(前期比6.3%増)、営業利益23億5,000万円(同23.0%増)、経常利益23億4,000万円(同28.3%増)、親会社株主に帰属する当期利益16億円(同28.0%増)の見通し。

 ヤマシンフィルタの2018年3月期決算短信

 なお、ヤマシンフィルタの子会社であるYAMASHIN THAI Ltd.(以下、YTL)はこのほど、Bangkok Komatsu Co. Ltd.(以下、BKC)のサプライヤミーティングにおいて、「Certificate of Excellent Quality, Delivery & Cost Performance」アワードを受賞した。これは、YTLが品質・納期・価格など各評価基準で偏りなく高パフォーマンスを発揮した点や急な増産に対しての協力体制等が評価されての受賞となる。

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